バーキン・カーズ

バーキン・カーズ（Birkin Cars, Ltd.）

バーキン・カーズは、南アフリカ共和国に本拠を置く少量生産の自動車メーカーです。2023年現在、同社はロータス・スーパーセブンのレプリカであるS3ロードスターのみを製造しています。

沿革

1982年、ジョン・ワトソンによって設立されたバーキン・カーズは、自動車愛好家かつ元レーシングドライバーの彼の父、ヘンリー「ティム」バーキンに影響を受けています。彼の情熱は、当時すでに生産が終了していたロータス・セブンへの深い愛情に基づいています。新車としての購入が不可能な状況にあったワトソンは、独自の仕様を持つスーパーセブンの開発に取り組み始めました。

初の作業場は小さなガソリンスタンドの裏にある50平方メートルほどのスペースであり、限られた環境からのスタートでした。しかし、彼の才能が広く知られるにつれて、南アフリカのロータスディーラーが彼に本物のスーパーセブンを観察する機会を与えると同時に、製造契約を結ぶこととなりました。

バーキンの代表作であるS3ロードスターは、1983年に南アフリカグランプリでお披露目されました。由緒正しいロータスディーラーが主催したこのイベントには、エリオ・デ・アンジェリスやナイジェル・マンセル、さらにはコーリン・チャップマンの妻であるヘイゼル・チャップマンも参加し、大いに賑わいました。初期出荷のS3ロードスターは、ロータスのF1マシンを模したブラックとゴールドのJPSカラーで仕上げられ、ディーラーを通じて販売されました。

車の特徴

S3ロードスターは、完成車としての販売だけでなく、キットカーとしての購入も可能です。ユーザーは、エンジンとしてフォードのゼテック（ZETEC）エンジンやトヨタの4A-Gといった、さまざまな直列4気筒エンジンを選択できます。かつてはリアサスペンションにリジッドアクスルを使用していましたが、現在のモデルでは独立懸架システムになっています。

さらに、2013年7月にはS3ロードスターにワイドボディ仕様が追加され、通常仕様に比べて全幅約4インチ（約100mm）、全長約3インチ（約76mm）広くなりました。このように、バーキン・カーズは時代のニーズに応じた改良を続けているのです。

結論

バーキン・カーズは、その独自の歴史と情熱を背景に、ロータス・セブンのスピリットを受け継ぎながら、アフリカ南部における特異な存在として名を馳せています。その製品は、ドライビングを愛する人々にとって、単なる自動車以上の特別な体験を提供しています。

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