バーゼル公会議

バーゼル公会議とは

1431年にスイスのバーゼルで開会されたキリスト教の公会議です。この会議は、公会議主義を支持する勢力と教皇の権威を擁護する勢力との間で激しい対立が繰り広げられた場となりました。会議の名称は、開催地がバーゼルからフェラーラ、フィレンツェ、そしてローマへと移動したため、バーゼル・フェラーラ・フィレンツェ公会議と総称されることもあります。また、会議の前半と後半を区別して、後半の会議をフィレンツェ公会議、あるいはフェラーラ・フィレンツェ公会議と呼ぶこともあります。

会議の分裂と対立

1437年に公会議が分裂した後、教皇に反発してバーゼルに残ったグループは、対立教皇を選出しました。このグループはバーゼル公会議派と呼ばれています。会議は、コンスタンツ公会議で決定された公会議の定期開催を受けて、教皇マルティヌス5世がパヴィア、次いでシエナでの開催を試みたものの、実現せず、1431年にバーゼルに招集されました。しかし、マルティヌス5世が開会を待たずに死去したため、会議の開催は次の教皇エウゲニウス4世に引き継がれました。

会議の初期の混乱

1431年7月23日に会議は開会しましたが、参加者がほとんど集まらなかったため、冬になると教皇は公会議を解散しようとしました。しかし、参加者たちはコンスタンツ公会議の精神を再確認し、教皇の命令を拒否しました。逆に教皇を公会議に召喚する事態となり、教皇と公会議主義者の対立が表面化しました。この段階では、公会議側に理があると見る人々が多かったため、2年間にわたる駆け引きの末、世俗諸侯の圧力もあり、教皇側は譲歩を余儀なくされました。1433年には、教皇は解散命令を撤回し、公会議を正統なものとして存続を認めました。

教会改革への取り組み

その後も公会議では、教皇が不在のまま様々な討議が行われ、教会改革を目指した多くの決定がなされました。また、公会議は懸念されていたフス派の問題にも一定の解決を見出すなど、成果をあげていました。しかし、公会議と教皇との関係は、東方正教会との合同会議をどこで行うかという問題を巡って、1437年に入って最終的に決裂することになりました。

会議のその後

この後の経緯については、フィレンツェ公会議を参照してください。

参考資料

Lexikon des Mittelalters. Bd. I. München/Zürich: Artemis 1980 (ISBN 3-7608-8901-8), Sp. 1517-1521.

外部リンク

Council of Basel 1431-45 A.D. - バーゼル公会議（英語サイト）

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