バーデン・バイ・ウィーン

バーデン・バイ・ウィーン：ウィーンの森に抱かれた歴史と温泉の街

オーストリアの首都ウィーンから南へ約25キロメートル、ウィーンの森の東麓に広がるバーデン・バイ・ウィーンは、古くから温泉保養地として名高い町です。正式名称はバーデン・バイ・ウィーン（Baden bei Wien）ですが、単にバーデンと呼ばれることも多く、周辺には同名の町もあるため、区別するために「バイ・ウィーン（ウィーンの近く）」と付記されます。ドイツ語以外では、バイエルン・オーストリア語でBådn bai Wean、ラテン語ではAquae Pannoniae（パンノニアの水）と呼ばれていました。

ローマ時代から続く歴史

バーデン・バイ・ウィーンの歴史は古く、ローマ時代には既に「パンノニアの水」として知られる硫黄泉が湧く温泉地として栄えていました。良質な温泉は、古くから人々に健康をもたらす場所として重宝され、その歴史は現代まで続いています。1480年には都市特権を得て、発展を遂げましたが、1529年と1683年のオスマン帝国によるウィーン包囲では、大きな被害を受けました。

ハプスブルク家の避暑地として

1813年から1834年にかけては、ハプスブルク家の夏の離宮が置かれ、皇帝や皇族たちが避暑に訪れるなど、ヨーロッパの上流階級の人々にも愛される保養地となりました。この時代には、街の景観も大きく変化し、多くの美しい建物が建設されました。現在でも、当時の面影を残す建物が数多く見られ、歴史散策を楽しむことができます。

20世紀と現代

第二次世界大戦後には、1955年までソ連占領軍の司令部が置かれていました。戦後の混乱を経て、バーデン・バイ・ウィーンは再び温泉保養地として発展を遂げ、現在では年間を通して多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。

効能豊かな温泉

バーデン・バイ・ウィーンの温泉は、リウマチ、循環器疾患、骨折などに効果があるとされ、古くから人々の健康増進に貢献してきました。著名な作曲家ベートーヴェンも、健康回復のために滞在したといわれています。

魅力あふれる街並み

ウィーンの森に囲まれた自然豊かな環境と、歴史的な建造物が調和した美しい街並みは、訪れる人々を魅了します。散策やサイクリングを楽しむのも良いでしょう。また、周辺には、ハイキングコースや、その他の観光地も多く、多様な楽しみ方ができます。

まとめ

バーデン・バイ・ウィーンは、歴史、文化、自然が融合した魅力的な街です。ローマ時代からの歴史、ハプスブルク家とのゆかり、そして良質な温泉と、見どころは満載です。ウィーンを訪れた際には、ぜひ足を伸ばして、その魅力を体験してみてください。公式ホームページ（ドイツ語、英語、イタリア語、ロシア語対応）も合わせてご参照ください。

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