バーナビー警部

バーナビー警部：英国田園ミステリーの20年以上

『バーナビー警部』(原題:Midsomer Murders)は、1997年からITV1で放送が開始された、イギリスを代表する人気刑事ドラマです。緑豊かな架空の田舎町ミッドサマーを舞台に、複雑で魅力的な殺人事件が次々と発生します。

魅力的な登場人物と事件

初期シリーズでは、トム・バーナビー警部(ジョン・ネトルズ)が主人公として活躍しました。彼は、一見平和なミッドサマーの村々で発生する、巧妙に隠された殺人事件を鋭い洞察力と推理力で解決していきます。シリーズが進むにつれ、魅力的な登場人物たちが登場し、彼らを取り巻く人間関係や秘密が事件に深く関わっていく様子が描かれます。

主人公交代とシリーズの進化

2011年から、トム・バーナビー警部の従弟であるジョン・バーナビー警部(ニール・ダッジオン)が主人公となり、新たな物語が展開されます。ジョン・バーナビー警部は、トムとは異なる個性と捜査方法で事件に挑み、シリーズに新たな息吹をもたらしました。日本では、主役交代後、シリーズタイトルが『もう一人のバーナビー警部』に変更され放送されました。

制作の舞台裏

キャロライン・グレアムの小説シリーズを原作とし、初期の脚本はアンソニー・ホロヴィッツが担当しました。その後も、多くの脚本家が参加し、シリーズは進化を続けました。制作チームは、原作小説を基盤にしながらも、独自の脚本と演出で、視聴者を魅了する作品を作り上げてきました。また、シリーズの長期にわたる制作には、様々なスタッフの尽力と変更がありました。監察医や巡査部長といった主要人物の交代などもありましたが、ドラマ全体の魅力を損なうことなく、シリーズは継続されています。

ミッドサマー：絵画のような舞台

ミッドサマーは、イギリスの田園地帯を思わせる架空の地域です。美しい自然と静けさの中に潜む、恐ろしい事件との対比が、ドラマをさらに魅力的なものとしています。シリーズを通して描かれるミッドサマーの風景は、まるで絵画のように美しく、視聴者をドラマの世界へと引き込みます。

ロケ地

ドラマのロケ地は、主にイギリスのオックスフォードシャーやバッキンガムシャーなどで行われています。コーストンという町はオックスフォードシャーのウォリングフォードで撮影され、警察署はイギリス空軍の旧訓練学校が使用されています。特徴的なパブ「ブラック・スワン」は、ワーボロウの「シックス・ベルズ」というパブとして登場します。100話目となるエピソードでは、コペンハーゲンでの撮影も行われ、国際色豊かな展開が加わりました。

シリーズの歴史

『バーナビー警部』は、パイロット版放送から20年以上もの間、多くのシリーズが制作されました。それぞれのシリーズは、個性的な殺人事件と魅力的な登場人物によって構成され、高い評価を得ています。長く続いたシリーズだからこそ、登場人物の変遷や背景、制作秘話なども興味深い点です。日本の放送では、シリーズの構成や順番に違いがある点も特徴的です。

長く愛される理由

『バーナビー警部』が長きにわたって愛され続ける理由は、美しい映像、練り込まれたミステリー、そして魅力的な登場人物たちの織りなす物語にあると言えるでしょう。イギリスの田園風景とそこに潜む闇の対比、そして、事件を通して描かれる人間模様は、視聴者を惹きつけ、忘れがたい作品となっています。

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