バーニシア

バーニシア王国（Kingdom of Bernicia）

バーニシア（古英語：Bernice, Bryneich, Beornice）は、アングル人の入植者により設立された歴史的な王国であり、現在のイングランド北部とスコットランド南部に広がっていました。この王国は、7世紀前半にデイラと統合され、アングロ・サクソン七王国のひとつであるノーサンブリア王国の中核を成しました。

歴史的背景

バーニシアは、元々ヴォタディニー族が居住していた地域に成立しました。一般的に、約420年頃にはこの場所はウェールズ人によって「Yr Hen Ogledd（古い北）」と称されていました。アングル人による地域の征服がいつ始まったのか正確には分からないものの、604年頃がその時期として考えられています。

バーニシアのアングル人たちは、ローマ帝国時代の後半にハドリアヌスの城壁に沿って傭兵として雇われていた可能性があります。さらに、他のアングル人たちは6世紀の初めにデイラから北へ移動したとされています。記録に残る最初の王は、約547年に王位に就いたアイダであると言われています。アイダの治世の間、彼の息子たちは周辺のブリソン王国と戦争を繰り広げました。

アイダの孫であるアゼルヴリス（Æðelfriþ）は604年頃にデイラとバーニシアを統合しましたが、彼の治世は長くは続かず、イースト・アングリア王国のレドウァルドとの戦いで敗れ、命を落としました。634年には王オズワルドが新たな軍を編成し、勝利を収めたことで、彼はバーニシア人とデイラ人双方から王として認められました。

名前の由来

「バーニシア」という名称は、古ウェールズの詩において「ブライニッチ」または「ブライナイヒ」と表記され、9世紀のブリトン人の歴史文献では「ベルネイク」または「ビルナイヒ」として言及されています。これらの名前は、先住のブリソン王国に由来するものであり、その後アングル人がこの地域に移住する際に名付けられたものと考えられています。アングル人は、原語を古英語に転換し、バーニシアまたはベオルニスと定着させました。

まとめ

バーニシア王国は、アングレ人による入植期の重要な歴史を持つ地域であり、後のノーサンブリア王国として発展する基盤を築きました。その文化や歴史は、後世に多くの影響を与えています。王国の名の起源も含め、バーニシアはアングロ・サクソン時代の貴重な遺産として今日でも語り継がれています。

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