バークレー牧場

『バークレー牧場』：西部開拓時代の家族愛と正義を描く名作ドラマ

『バークレー牧場』（原題：The Big Valley）は、1965年から1969年までアメリカABCで放送された西部劇ドラマです。1870年代のカリフォルニア州、ビッグバレーと呼ばれる肥沃な土地を舞台に、広大なバークレー牧場を経営する一家の物語が展開されます。

あらすじ：

物語の中心となるのは、夫を亡くし一家の長となったビクトリア・バークレー。彼女は、弁護士の長男ジャロッド、カウボーイの次男ニック、出自に複雑な背景を持つ三男ヒース、医学生の四男ユージン、そして美しく聡明な長女オードラという個性豊かな子供たちと共に、牧場経営と様々な困難に立ち向かいます。

特に注目されるのは、ヒースの存在です。彼はビクトリアの夫サムが別の女性との間に作った息子であり、バークレー家とは血縁関係がありません。放浪の末にバークレー牧場に辿り着いたヒースは、当初こそ家族から距離を置かれていましたが、ビクトリアの深い愛情に触れ、次第に家族の一員として受け入れられていきます。彼の葛藤と成長は、このドラマの大きな見どころの一つです。

キャスト：

ビクトリア：バーバラ・スタンウィック（吹替：西乃砂恵）
ジャロッド：リチャード・ロング（吹替：浦野光）
ニック：ピーター・ブレック（吹替：近石真介）
ヒース：リー・メジャース（吹替：野沢那智）
オードラ：リンダ・エヴァンス
ユージン：チャールズ・ブライレス
* サイラス：ナポレオン・ホワイティング（吹替：山口崇）

豪華なキャスト陣も見逃せません。バーバラ・スタンウィックが演じるビクトリアは、強く、賢く、そして愛情深い母親像を見事に体現し、視聴者の心を掴みました。また、リー・メジャースは、ヒースの複雑な内面を繊細に演じ、その後のスターダムへと繋げました。リチャード・ドレイファスやチャールズ・ブロンソンなどもゲスト出演しています。

バークレー牧場のモデル：

バークレー牧場のモデルとなったのは、かつてカラベラス郡西部に存在したヒル牧場です。1855年から1931年まで存在し、広さは1,000エーカー（4平方キロメートル）。モケルムニ川が牧場を流れていました。ローソン・ヒルという人物が経営していましたが、1861年に殺害されたため、妻のエウフェミア（通称アンティー・ヒル）が女主人となりました。ヒル牧場は、現在のカマンチェ湖の底に沈んでいます。カマンチェ・サウス・ショア・パークには、この牧場に関する碑が建てられています。

他媒体での展開：

『バークレー牧場』は、テレビドラマ以外にも様々な展開を見せています。1966年から1969年にかけては、デルコミックスから漫画版が6冊発行されました。また、2011年には映画化の企画も発表され、ビクトリア役にはジェシカ・ラング、トム役にはテレビ版でヒースを演じたリー・メジャースがキャスティングされました。

日本での放送：

日本では、1965年からNET（現・テレビ朝日）系列で放送が開始され、その後、東京12チャンネル（現・テレビ東京）でも放送されました。作品の人気を受けて、再放送も度々行われています。

『バークレー牧場』は、西部劇という枠組みを超え、家族の愛、絆、そして人間の成長を描いた普遍的なテーマを持つドラマです。時代を超えて愛される名作として、これからも多くの人々の心に残り続けるでしょう。

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