バーバリー

バーバリー（Burberry Group plc）

バーバリーは1856年にイギリスのハンプシャー州でトーマス・バーバリーによって設立された著名なファッションブランドです。日本法人は「バーバリー・ジャパン株式会社」として存在しており、国内外で多くのファンを持つブランドとして知られています。

歴史の始まり

バーバリーは創業時から品質にこだわり、生地の革新を追求していました。1879年には、農民が汚れを防ぐために上から羽織っていた上着をヒントに、耐久性と防水性に優れる「ギャバジン」を発明しました。この素材は高い評価を得て、1888年には特許を取得しました。また、1891年にロンドンに本社兼店舗を開設し、1912年には現在の位置に移転しました。

トレンチコートの誕生

バーバリーは1895年にボーア戦争の際、タイロッケンコートを製造し、のちにトレンチコートの基盤となりました。1914年には第一次世界大戦に合わせて塹壕戦に対応したトレンチコートが兵士に正式採用されるなど、軍需産業に重要な役割を果たしました。その結果、50万着以上が生産され、戦後には一般の市民にも広まりました。

冒険家たちの愛用

バーバリーのギャバジン製品は、極地探検家やテストパイロットにも愛用され、様々な冒険的な場面で利用されました。1911年には南極探検家のロアール・アムンセンやロバート・スコットも使用し、また1934年のロンドン-メルボルンエアレースでの優勝者もバーバリーの製品を着用していました。

ロイヤルワラントの授与

バーバリーは1919年に英王室からコート・ジャケット部門でのロイヤルワラントを授かり、以後エリザベス2世やチャールズ3世からも受賞しており、ブランドの権威を高める大きな要因となっています。

ファッションシーンでの変遷

1924年にはコートの裏地として使われていたデザインがバーバリー・チェックとして認知され、以後ファッションアイテムとしても多用されました。1970年代からはブランドがカジュアル化し、サブカルチャーとの結びつきが強まり、1990年代には低迷期もありました。

2000年代に入ると、特にアメリカでのブランド改革が進み、国際的な展開が広がりました。特に、2002年にはロンドン証券取引所に上場し、国際的なブランドとしてのステータスを確立しました。

現在のデザイナーとアイコン

2022年にはダニエル・リーがバーバリーのデザイナーとして就任し、前任者のリカルド・ティッシがもたらしたストリートテイストを引き継ぎつつ、新たな方向性を模索しています。また、バーバリーのトレンチコートは、ウィンストン・チャーチルやオードリー・ヘプバーンを始めとする多くの著名人によって愛用されてきました。

バーバリーチェックと商標対策

バーバリー・チェックは1924年にデザインされ、ブランドのアイコン的存在となっています。その一方で、商標侵害の問題も抱えており、特に韓国ではチェック模様を無断で使用した制服が良く見かけられていました。バーバリーはこうした問題への対応を進めています。

日本での展開

日本市場では1915年に丸善がレインコートを輸入したのが始まりです。以降、三陽商会などがバーバリー製品を取り扱うようになり、日本オリジナルブランドや商品ラインも展開されてきました。特に、若年層をターゲットにしたブルーレーベルやブラックレーベルが大ヒットし、バーバリーの人気を高める要因となりました。最近では、バーバリー・ジャパンが直轄する店舗が増加し、より英国製に近い商品を提供しています。

このように、バーバリーはその創業から現在に至るまで、革新的な素材とデザインで多くの人々に影響を与え続け、ファッションの世界でも重要な存在となっています。

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