バーバロ

バーバロ：輝きと悲しみ、そして記憶に残る競走馬

バーバロは、アメリカで活躍した競走馬として知られています。その父はジャージーダービー優勝馬ダイナフォーマー。バーバロ自身も華々しいデビューを飾り、数々の勝利を収め、アメリカ競馬史に名を刻む存在となりました。

2005年、バーバロはデビュー戦を勝利で飾ると、勢いそのままにGIIIローレルフューチュリティーを制覇。続くGIIIトロピカルパークダービー、GIIIホーリーブルステークス、そしてフロリダダービーと、勝利を重ねていき、クラシック路線への挑戦を明確にしました。そして、クラシック競走の最初の関門であるケンタッキーダービーへ。20頭もの強豪がひしめくレースで、バーバロは終始先頭集団につけ、4コーナーで先頭に躍り出ると、そのまま突き抜けました。6 1/2馬身差という圧勝劇で、無敗のケンタッキーダービー優勝という快挙を達成したのです。バーバロの生産者であるMr. & Mrs. M. Roy Jackson夫妻は、同日に行われた英2000ギニーでも生産馬のジョージワシントンで優勝しており、まさに喜びもひとしおだったことでしょう。

続くプリークネスステークスは、バーバロにとって三冠、そして無敗での三冠という偉業への挑戦でした。アファームド以来28年ぶり、シアトルスルー以来29年ぶりの快挙達成への期待は大きく、11万8402人の観衆が競馬場に詰めかけました。しかし、レースは悲劇に終わります。ゲートを壊しての悪夢の発走、再スタート直後、騎手はバーバロの異変を察知し、競走を中止せざるを得ませんでした。診断の結果は、右後脚の球節の上の砲骨顆部及び球節の下の第一趾骨を粉砕骨折するという、競走馬として致命的ともいえる重傷でした。この怪我により、バーバロは競走能力を失い、このレースがその生涯最後のレースとなってしまいました。

バーバロの故障は、通常ならば安楽死の措置がとられてもおかしくないほど深刻なものでした。しかし、馬主の強い希望により、ペンシルベニア大学において5時間に及ぶ大手術が行われました。手術は成功しましたが、競走能力の回復は絶望的であり、助かる見込みはわずか50％と診断されました。その後も、バーバロは幾多の困難に見舞われます。7月には、右後脚をかばって体重がかかっていた左後脚に蹄葉炎を発症。一時は予断を許さない状況となりましたが、驚異的な回復を見せ、8月中旬には外を自由に歩く姿が見られるまでになりました。退院の目処も立っていましたが、今度は両前脚にも蹄葉炎を発症。そして、左後脚の蹄葉炎が悪化し、延命治療を断念せざるを得ない状況に陥ってしまいます。2007年1月29日、バーバロは安楽死の措置がとられました。

バーバロの短い生涯は、多くの人の心に深い悲しみと感動を与えました。その輝かしい勝利、そして闘病生活における驚異的な生命力、そして最後に安らかな眠りについたその姿は、人々の記憶の中に深く刻み込まれています。その後、バーバロの名を冠したレースがピムリコとデラウェアパークで開催されるようになり、人々はバーバロの功績を称え続けています。彼の物語は、競走馬としての才能、そして生命の尊さ、そして人々の愛と希望を伝える感動的な物語として語り継がれていくことでしょう。バーバロの血統、競走成績に関する詳細は、JBISサーチやRacing Postなどのサイトで確認できます。

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