バーモント州の歴史

バーモント州の歴史は、アメリカ合衆国の北部に位置するこの州において、先住民族からの時代、イスパニックの文化的影響、植民地時代、そしてアメリカ独立戦争を経て、現在の州としての形態に至るまでの長い物語です。この地域の歴史は、インディアンの時代から始まり、初期のヨーロッパ人の探索と入植、また独立の確立へと続きます。

インディアンの時代

バーモントの土地には、アルゴンキン語族系のモヘガン族やアベナキ族などの先住民が住んでいました。紀元前8500年から7000年にかけて氷河の変動があり、それに伴いシャンプレーン湖が形成されました。これによって、先住民は狩猟生活を送り、約7000年前から1000年頃までの時代には、領土を定期的に移動していました。紀元前1000年から1600年には、森林時代が訪れ、集落が形成され、交易も活発に行われるようになります。1500年から1600年の間には、イロコイ連邦が台頭し、他のインディアンと争いながらこの地域の支配を進めました。

白人の入植

1535年にフランスの探検家ジャック・カルティエが最初にこの地を訪れ、1609年のサミュエル・ド・シャンプランによる宣言が行われました。彼は、シャンプレーン湖の山々に「緑の山」と名付けました。この名前が後に「Vermont」と名付けられる由来です。フランスはこの地域をヌーベルフランスの一部として支配し、サンタン砦を築くことで白人入植の第一歩を踏み出しました。

一方で、イギリスやオランダの探検も進行し、燃えあがる対立の中。1731年、フランス人は小さな砦を建設し、続いて1758年までにイギリスがセントフレデリック砦を奪取する等の事件が続きました。このように、白人入植者と先住民族の間での土地の争奪が繰り広げられました。

植民地の歴史

イギリスの入植は1724年から始まり、ティモシー・ドワイト中尉の指導のもとダマー砦が建設されました。また、バーモントはフレンチ・インディアン戦争においても重要な役割を果たし、イーサン・アレンを含む入植者が連携してフランス軍に抵抗しました。

ニューハンプシャー払下げとバーモント共和国

植民地時代の末期、ニューハンプシャー、マサチューセッツ、ニューヨークの三つの植民地がバーモントの土地を巡って対立しました。特に、ニューハンプシャーのつらい地元入植者たちが自らの権利を守るために「グリーン・マウンテン・ボーイズ」を結成し、1777年に独立を宣言、その名も「バーモント共和国」とされました。この共和国は約14年間存続し、1779年には自身の憲法を制定したことがアメリカ合衆国憲法への影響を与えました。

州の成立と19世紀

1791年にバーモントはアメリカ合衆国の14番目の州となり、独立した国としての歴史が新たな章を迎えました。その後、南北戦争を挟んでも州内外で多くの動きがありました。バーモントは、南北戦争においても活発に兵士を派遣し、約28,100人が従軍するなどして重要な役割を果たしました。州内は、特に退役軍人たちの影響を強く受け、その後の州政にも大きな影響を与えました。

20世紀以降の動向

20世紀に入るとアルコール飲料に関する厳しい法律が施行され、バーモント州民の意識も次第に変化していきました。政治では、州外からの移民が増える中で、民主党が主導権を握るようになりました。1970年代以降、議会の構成や選挙の仕組みも変わり、各種改革が進行しました。特に、アーサー知事を筆頭に政治的流動性が増す中で、バーモント州の将来が新たな道を描くこととなります。

インディアン部族の扱い

今日においては、アベナキ族などかつての部族の文化が現在でも続いており、連邦政府に対する再認定の要求や保留地の復活も議論されています。バーモント州の歴史は、先住民族との関係や独自の文化の融合といった様相を内包しており、今後の展開も目が離せません。

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