バーンズ (護衛空母)

護衛空母 バーンズ (USS Barnes, CVE-20)

アメリカ海軍の護衛空母バーンズ（USS Barnes, CVE-20）は、ボーグ級航空母艦の一艦として建造され、第二次世界大戦において重要な役割を担いました。同名の艦としては二代目に当たります。その生涯を通じて、主に広大な太平洋戦域における後方支援任務に従事し、連合国の勝利に貢献しました。

建造から就役、そして艦種変更

本艦の建造は、第二次世界大戦中の艦艇増強計画の一環として進められました。海事委任契約に基づき、ワシントン州タコマにあるシアトル・タコマ造船所にて1942年5月1日に起工。同月22日には早くも進水式を迎え、G・L・ハッチンソン夫人によって命名されました。その後、艤装工事を経て、1943年2月20日にC・D・グローバー艦長の指揮のもと、アメリカ海軍艦艇として正式に就役します。

就役当初、バーンズは「航空機搭載護衛艦」（AVG-20）として類別されていましたが、その後の任務や運用の変化に伴い、艦種が何度か変更されました。1942年8月20日には「補助空母」（ACV-20）に、さらに1943年7月15日には最終的に「護衛空母」（CVE-20）へと再分類されています。これらの変更は、当時のアメリカ海軍における航空母艦の分類と運用思想の進化を反映しています。

第二次世界大戦中の任務と戦歴

バーンズは就役後、太平洋戦線へと派遣され、終戦に至るまで多岐にわたる任務を遂行しました。その主な役割は、前線部隊への戦略的な輸送任務です。具体的には、必要な兵員、各種の軍需物資、そして戦闘に不可欠な航空機を太平洋の各島嶼や拠点へ送り届けました。また、新たなパイロットを実戦に投入するための認証訓練にも従事しており、多くの搭乗員が本艦の飛行甲板から巣立っていきました。

こうした後方支援任務に加え、バーンズはいくつかの重要な作戦にも直接的あるいは間接的に関与しています。1943年11月20日から12月5日にかけて行われたタラワの戦いにおいては、その作戦期間中に周辺海域で活動しました。また、1944年9月6日から10月14日にかけてのペリリューの戦いおよびアンガウルの戦いにおいては、第3艦隊の任務部隊に対し、作戦遂行に必要な航空機を供給するという重要な支援任務を担いました。さらに、1944年10月19日に行われたルソン島への攻撃にも参加しており、その作戦遂行を側面から支えています。これらの活動は、太平洋における連合軍の進攻を兵站面から強力に後押しするものでした。

戦後の活動と退役

1945年8月の日本降伏後、バーンズは直ちに帰国せず、極東地区に留まり占領任務に従事しました。日本の占領行政や復興支援に関連する活動を支援し、この任務は1945年11月3日まで続けられました。

占領任務を終えたバーンズは、1946年3月に母国アメリカへと帰還。一時、西海岸に係留されていましたが、その後東海岸のボストンへと回航されました。そして、1946年8月29日、バーンズは現役を離れ、予備役艦艇として保管されることとなります。

予備役編入後も、その艦種が再び変更される機会がありました。1955年6月12日には、「護衛ヘリ空母」（CVHE-20）へと類別が改められますが、実際にヘリコプター運用任務に就くことはありませんでした。長期の保管状態が続いた後、バーンズは1959年3月1日をもってアメリカ海軍艦艇リストからその名を除籍され、最終的に廃棄処分となりました。

第二次世界大戦中の献身的な活動と貢献が認められ、バーンズはその戦功に対して3つの従軍星章を受章しています。

護衛空母バーンズは、主要な戦闘の表舞台に立つことは少なかったものの、太平洋戦線において兵站と訓練という不可欠な役割を果たし、連合国の勝利に静かに、しかし確実に貢献した一艦と言えるでしょう。

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