パイ・トレイナー

ハロルド・ジョセフ・"パイ"・トレイナー（Harold Joseph "Pie" Traynor, 1899年11月11日 - 1972年3月16日）は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州出身のプロ野球選手でした。ポジションは三塁手で、右投げ右打ちの選手として知られています。

愛称の「パイ」は、彼がパイをこよなく愛したことに由来します。この親しみやすいニックネームは、彼のキャラクターをよく表していました。

選手としての輝かしいキャリア

1920年、トレイナーはピッツバーグ・パイレーツでメジャーデビューを果たしました。1923年には、打率.338、208安打、101打点という素晴らしい成績を記録し、リーグ最多の19本の三塁打を放つなど、その才能を開花させます。

1925年、パイレーツはナショナルリーグで優勝し、ワールドシリーズに進出。トレイナーは26打数9安打、打率.346、2本の三塁打、4打点と活躍し、チームのワールドシリーズ制覇に大きく貢献しました。2年後の1927年には、ポール・ウェイナー、ロイド・ウェイナーらと共に再びリーグ優勝を果たし、黄金時代を築き上げました。1927年と1928年にはリーグ最多の犠打数を記録し、自らも100打点以上を挙げながら、チームの繋ぎ役としての役割も全うしました。

1934年からは選手兼任監督としてチームを率い、1935年と1936年は監督に専任、1937年に現役を引退しました。監督としては1939年までパイレーツを指揮しました。

現役時代には、打率3割を10度、100打点を7度記録。特筆すべきは、三振が非常に少ない打者であったことです。7500打数以上で、三振はわずか278。1試合で3三振を喫したことは一度もありませんでした。

殿堂入りとその後

1948年、トレイナーはアメリカ野球殿堂入りを果たしました。三塁手として記者投票で選出されたのは、彼が初めてでした。殿堂入り後、トレイナーはパイレーツのフロント入りし、スカウトとして長年チームに貢献しました。

1972年3月16日、トレイナーはピッツバーグで生涯を閉じました。同年、彼の功績を称え、パイレーツは背番号『20』を永久欠番に指定しました。

詳細情報

最高守備率:1925年 (.957)
ワールドシリーズ出場:2回 (1925年、1927年)
オールスターゲーム出場:2回 (1933年、1934年)
MLBオールセンチュリー・チームにノミネート (1999年)

監督としての戦績

所属:ピッツバーグ・パイレーツ (1934年 - 1939年)
戦績:457勝406敗、勝率.530
* リーグ最高順位:2位

パイ・トレイナーは、その卓越した技術とリーダーシップで、20世紀初頭の野球界を彩った名選手として、今もなお多くのファンに愛されています。

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