パサールカード

パサールカードについて

パサールカードは、静鉄グループが1994年から2022年まで発行していた乗車カードの一つであり、LuLuCaの前身となる磁気式のカードです。このカードは静岡県内の多くの公共交通機関で使用されていましたが、2022年7月31日をもってすべての券種が販売終了となりました。

利用範囲

このカードは静鉄電車としずてつジャストライン、さらに秋葉バスサービスの一部の路線で利用可能でした。特に、掛川バスサービスでは導入されていないため、エリアによっては使用できる路線が限られていました。電車の場合は自動改札機にカードを直接投入できるため、スムーズに乗車することができます。ちなみに、改札機に投入した際には、カードの裏面に乗車駅と残額が印刷される仕組みになっていました。

複数人での利用や割引運賃の適用者の場合は、自動券売機で乗車券に引き換える必要があります。また、バスでは運賃箱に挿入する前に運転士に申告することで利用が可能でした。なお、カード名の「パサール」は、スペイン語で「通る」という意味を持っています。

カードの種類

電車・バス共通カード

最初に販売されたのが電車・バス共通カードです。静岡鉄道としずてつジャストラインでは2013年3月31日、秋葉バスサービスでは2019年4月30日に販売を終了しました。このカードの割引率は9.1〜14.5%で、額面は1,000円、3,000円、5,000円、10,000円の4種類あります。

色の違いも特徴で、5,000円券までは青色、7,500円以上の額面（現在は10,000円券のみ）は金色となっていました。なお、終日利用可能なため、通勤や日常的な利用にも適していました。

電車・バス共通昼間カード

次に、昼間の利用に特化した電車・バス共通昼間カードがあります。このカードは、静岡鉄道としずてつジャストラインで2014年9月30日、秋葉バスサービスで2019年4月30日に販売が終了しました。昼間専用ということで、割引率は23.1%で、乗車可能時間は9:00〜16:00に限られていました。色はピンクで、額面は1,000円、3,000円、5,000円の3種類が提供されていました。LuLuCaにはこの曜日や時間帯に特化した割引サービスは存在しませんでした。

バス専用学生カード

また、バス専用の学生カードもありました。このカードは静岡鉄道としずてつジャストラインで2012年9月30日、秋葉バスサービスで2019年4月30日に販売を終了し、割引率は25%でした。このカードはバス専用であり、静鉄電車では使用できませんでしたので、学生が通学時に利用するために必要でした。

福祉乗車券

最後に、福祉乗車券という特殊なパサールカードがありました。これは沿線自治体によって発行され、通常1年間有効というもので、額面は3,000円です。例として藤枝市では「藤の里ふれあい乗車券」として70歳以上の方を対象に発行されていましたが、静岡市では「ことぶき乗車券」があったものの、2006年度で制度が廃止されていました。

まとめ

パサールカードは、静鉄グループの交通機関で広く利用される重要なカードでしたが、時代の変化やさまざまなニーズに応じて、2022年に全ての販売が終了しました。今後は、LuLuCaなど新しいサービスが浸透していくことが期待されます。

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