パシフィック エキスプレス

パシフィック エキスプレスについて

パシフィック エキスプレス（PACIFIC EXPRESS）は、1992年に運航を開始したマリンエキスプレスによるフェリーです。この船は美々津丸の代船として、三菱重工業下関造船所で建造され、当初は川崎と日向を結ぶ京浜航路で運航を行いました。竣工当初から、カーフェリーとしては世界最速の航海速力を誇っていました。

船のデザインと特徴

パシフィック エキスプレスは、旧船美々津丸に比べて、トラックの輸送量を重視した仕様になっています。その一方で、船内は気品と優雅さを感じさせるデザインが施されています。特に川崎港の岸壁に対応するために、世界初の降下式ランプを兼ねたバウバイザー「ダウンバイザー」を船首に取り入れています。この革新は、乗船の利便性を高め、スムーズな積卸しを実現しました。

1994年には、宮崎港を追加し、フェニックス エキスプレスと共に、日向・宮崎間で隔日運航を開始しました。さらに2002年からは、宮崎航路が高知港、日向航路が那智勝浦港に寄港するようになり、運航範囲が広がりました。

経営の変遷

しかし、2005年には経営悪化が影響し、京浜航路が休止に。パシフィック エキスプレスは海外に売却され、韓国のC&CRUISE社によって「KC RAINBOW」として平沢 - 日照航路で運航開始。その後、2010年には韓国のグランドフェリー社「Secomaru」として、2013年から2015年には中国の「日照海通班輪」にて日照港で運航されました。また、2016年からはメキシコのBAJA FERRIES社「BAJA STARS」として運行しています。

航路の概要

マリンエキスプレスの主な航路は以下の通りです:

• - 川崎港 - 日向細島港（1992年 - 2005年、当初は毎日運航、1994年からは週3便、2002年からは週1往復）
• - 川崎港 - 宮崎港（1994年 - 2005年、当初は週4往復、2002年から宮崎発は週2便）
• - 川崎港 - 高知港 - 宮崎港（2002年 - 2005年）
• - 川崎港 - 那智勝浦港 - 日向港（2002年 - 2005年、週2往復）

その後、C&CRUISE社の平沢港 - 日照港（2005年 - 2010年）、グランドフェリーの釜山港 - 門司港（2010年）、日照海通班輪の平沢港 - 日照港（2013年 - 2015年）、最終的にはBAJA FERRIESによるトポロバンポ - ラパス（2016年 - 2023年）など、様々な航路を経て多様な運航を行いました。

船内の設備

パシフィック エキスプレスの船内は「エーゲ海をのぞむギリシャ神殿」をテーマにした豪華なデザインが施されています。旅客設備には「Relaxation」をキーワードとした快適な空間が提供され、一般客とトラックドライバーのエリアが分かれているため、快適さが高まっています。

各デッキの詳細

• - Aデッキ には、特等室、展望サロン、1等室、2等寝台和室、大理石の床や神殿風のイベントホールがあります。カフェテリアやレストランもあり、食事を楽しみながら旅ができます。
• - Bデッキ では、2等寝台和洋室、2等指定室、ドライバールーム、指示所、ゲームコーナーなど、充実した設施設計がなされています。
• - Cデッキ と Dデッキ にはトラックと乗用車用の区画が設けられています。
• - 第2甲板 では、乗用車の搭載が行われます。これにより、さまざまなニーズに応えることが可能です。

まとめ

パシフィック エキスプレスは、その優れたデザインと高距離迅速性により、登場以来多くの注目を集めてきました。時代の変化と共に航路が変遷しましたが、その歴史は今も多くの人々に学ばれ続けています。船内の豪華な雰囲気が旅を一層魅力的にし、利用者の記憶に残る特別な体験を提供していることでしょう。

もう一度検索