パシフィック・ウォー

パシフィック・ウォー（USS Indianapolis: Men of Courage）

『パシフィック・ウォー』は、2016年に制作されたアメリカの戦争映画です。この映画は、太平洋戦争末期における調査任務に従事したアメリカ海軍の巡洋艦インディアナポリスと、その艦長チャールズ・B・マクベイ3世の運命を描いています。

あらすじ

1945年、インディアナポリスは、広島に投下されることとなる原爆の部品を運ぶという極秘の任務を帯び、無事にテニアン島に到着します。しかし、その後、艦はフィリピン海にて、護衛なしで哨戒を行っていた際に、日本の潜水艦の魚雷攻撃を受け、沈没してしまいます。この攻撃によって、乗員は約300名が犠牲となり、艦長マクベイもまた厳しい運命に直面します。

沈没後、艦の生き残りは、サメが泳ぎ回る危険な海域で5日間漂流することになります。水と食料が尽き、絶望的な状況の中で、ほとんどの乗員がサメの餌食となったり、塩水を飲むことによる中毒で命を落とします。また、一部の乗員は幻影を見て、仲間から離れて進んで行ってしまい、そのまま行方不明になってしまいます。生存したのは316人のみで、5日目にようやくPBYカタリナ飛行艇によって発見され、救助されました。

その後、自己負担を恐れる米海軍の上層部は、マクベイ艦長に対し、「潜水艦の魚雷を避けるための適切な行動を取らなかった」として、不当な軍法会議を開きます。多くの証拠が彼の無実を示していたにもかかわらず、艦長は有罪とされる結果となりました。数年後、艦長は悲しみに満ちた当時の乗員の遺族やメディアからの嫌がらせに苦しみ、ついには自ら命を絶ちました。

映画のクライマックスでは、2000年にビル・クリントン大統領が艦長の名誉を恢复するシーンが描かれています。エンドクレジットの間には、二人の水兵が当時のサメについて語るシーンや、遭難した水兵たちの肖像が映し出され、感動的な結末を迎えます。

キャスト

主演にはニコラス・ケイジが艦長マクベイ役で登場し、ほかにもトム・サイズモアやトーマス・ジェーンなど多くの俳優が出演しています。特に、竹内豊が艦の沈没に関与した橋本以行役を演じたことで注目を集めました。演技を巡っても様々なドラマがあり、竹内は役を得るまでの努力を存分に見せています。

評価

ただし、映画の評価は賛否が分かれ、レビュー集積サイトRotten Tomatoesでは、評価が17%と低いものに設定されました。また、Metacriticでは、加重平均値が30点と厳しい結果を出しています。これらの評価は、作品の内容や表現について様々な意見があったために付けられたものでしょう。

『パシフィック・ウォー』は、歴史的背景を持つ真実の物語を反映した感動的な作品であり、観客には艦長マクベイの悲劇的な運命が刻み込まれることでしょう。

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