パジャマゲーム

『パジャマ・ゲーム』について

『パジャマ・ゲーム』（The Pajama Game）は、1953年にリチャード・ビゼルの小説『7½ Cents』を原作としたミュージカルです。このミュージカルは、ジョージ・アボットとビゼルが共同で脚本を執筆し、リチャード・アドラーとジェリー・ロスが楽曲を手がけました。振付はボブ・フォッシーによるもので、彼の振付家としてのデビュー作でもあります。物語は、パジャマ工場での労働者たちの困難や恋愛模様を描いています。

上演歴と受賞歴

『パジャマ・ゲーム』は1954年5月13日にセント・ジェームス・シアターで初演を迎え、その後シュバート・シアターでも短期間上演されました。初演は合計で1,063回もの上演を数え、トニー賞のミュージカル作品賞も受賞しました。再演も行われており、1973年と2006年ではそれぞれ再び観客の前に立ちました。特に2006年の再演では、トニー賞のミュージカル再演作品賞を受賞し、今もなお人気を誇っています。さらに、1955年にはロンドンのコロシアムでも588回が上演され、英国でも愛される作品となりました。

登場人物

このミュージカルには魅力的なキャラクターが数多く登場します。

• - シド・ソロークン: ハンサムな新工場長で、労使対立の中でベイブに恋をします。
• - キャサリン・ウィリアムズ（ベイブ）: 労働組合のリーダーで、シドとの恋愛に身を投じます。
• - マイロン・ハスラー（オールドマン）: 厳格な社長で、秘めた秘密があります。
• - グラディス・ホッチキス: スマートで魅力的な秘書です。
• - プレッツ: 労働組合の長でありつつ、女癖が悪い既婚者です。また、ベイブの父親や工場の労働者たちも物語には登場し、彼らの抱える問題や関係性が描かれています。

あらすじ

物語はアイオワ州シーダーラピッズに位置するスリープタイト・パジャマ工場から始まります。ここでは、労働者たちが過酷な状況で働き、彼らの要求に対して企業側のハスラー社長が耳を貸さないことから、サスペンスが生まれていきます。ベイブとシドの恋愛は、労働の問題と対立する中で育まれますが、彼らの愛は試されることになります。著名な楽曲には、社員ピクニックでの社歌「スリープタイト」を含め、各キャラクターの心情が反映された多様な曲があり、特に「Hey There」といった曲が象徴的です。

第2幕では、組合の会議や陰謀、誤解といったドラマが展開され、シドとベイブの運命のいる先が気になる展開となります。最終的には賃上げが実現し、工場内に安定が訪れ、恋愛も解決に向かいます。「The Pajama Game Finale」では喜びを分かち合うシーンが圧巻です。

音楽と振付

このミュージカルの音楽は、リチャード・アドラーとジェリー・ロスによって作られ、さまざまな楽曲が生まれました。特に「Steam Heat」や「Hernando's Hideaway」といった楽曲は、そのユニークなダンスシーンも相まって、高く評価されています。また、2006年のリバイバルで新たに追加された楽曲も話題を集めています。このように、『パジャマ・ゲーム』はミュージカルとしてのエンターテイメント性だけでなく、社会的なテーマや人間関係を描いた深みも持つ作品となっています。

もう一度検索