パスカル・シアカム

パスカル・シアカム：カメルーン出身のNBA選手

パスカル・シアカム（Pascal Siakam）は、1994年4月2日生まれ、カメルーンのリトラル州ドゥアラ出身のプロバスケットボール選手です。現在はNBAのインディアナ・ペイサーズに所属しており、ポジションはパワーフォワード。SpicyP、PSkillというニックネームで親しまれています。

生い立ちとNBAへの道のり

シアカムは4人兄弟の末っ子としてドゥアラで生まれました。2009年、NBAとFIBAが共同で開催する「バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ」に参加したことが、NBA選手を目指すきっかけとなりました。同イベントでルック・バ・ア・ムーティと対面したことが刺激となり、翌年アメリカへ渡り、ゴッズ・アカデミー高校に進学しました。

大学はニューメキシコ州立大学に進学。しかし、2年生の時に父が交通事故で亡くなるという悲劇に見舞われます。父の死を乗り越え、2014-15シーズンから公式戦に出場し、WACのフレッシュマン賞を受賞。翌2015-16シーズンには、平均20.2得点、11.6リバウンド、2.2ブロックショットを記録し、WACの年間最優秀選手に選ばれました。2016年4月、NBAドラフトにアーリーエントリーを表明しました。

NBAキャリア

トロント・ラプターズ時代 (2016-2024)

2016年、シアカムはNBAドラフト全体27位でトロント・ラプターズから指名され、プロのキャリアをスタートさせました。ルーキーシーズンとなった2016-17シーズン開幕戦では、先発選手の負傷により急遽先発出場を果たし、チームの勝利に貢献しました。

2017-18シーズンには、ラプターズのベンチメンバーの一員としてチームをイースタン・カンファレンス1位に押し上げました。2018-19シーズンには先発としての出場機会が増加し、1試合平均16.9得点、6.9リバウンド、3.1アシストを記録。3ポイントシュート成功率も大幅に向上させました。同年にはイースタン・カンファレンス週間MVPにも選出されています。

2019年1月にはキャリアハイとなる44得点を記録。プレーオフでは、チームの勝利に大きく貢献し、ラプターズをフランチャイズ史上初のNBAファイナル進出に導きました。ゴールデンステート・ウォリアーズとのファイナルでは、ゲーム1で32得点を記録し、チームは4-2で勝利。見事NBAチャンピオンに輝きました。この活躍が評価され、2018-19シーズンのNBA最成長選手賞を受賞しました。

2020年には、自身初となるオールスターゲームに選出され、スターターとして出場。同年、オールNBAセカンドチームにも選ばれました。

インディアナ・ペイサーズ時代 (2024-)

2024年1月17日、トレードによりインディアナ・ペイサーズへ移籍。新たなチームでの活躍が期待されています。

家族

シアカムには3人の兄がおり、いずれも大学でバスケットボールをプレーしていました。その内、3番目の兄・ジェームズはヴァンダービルト大卒業後に日本の岩手ビッグブルズとの契約を結びましたが、政治的な理由により正式契約には至りませんでした。

パスカル・シアカムは、その努力と才能でNBAの舞台で輝き続ける選手です。今後の活躍にも注目が集まっています。

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