パスパルトゥー:アーティストの描いた夢

パスパルトゥー：アーティストの描いた夢

『パスパルトゥー：アーティストの描いた夢』（原題：Passpartout: The Starving Artist）は、2017年6月6日に発売されたスウェーデンのインディーゲームスタジオFlamebait Gamesによるオリジナルゲームです。この作品では、プレイヤーはフランスの画家パスパルトゥーとして、自作の絵画を描き、販売しながら成功を目指します。

概要

本作は、主人公の画家が夢を追い求め、自らの絵が専門家に認められ、成長していく姿を描いています。プレイヤーは実際に絵を描く体験を通じて、物語が進行するユニークな仕組みが特徴です。プレイヤーが描いた絵は来客に展示され、販売されるという流れがあります。また、登場人物や背景は人形劇の形式を採用しており、舞台転換時には幕が閉じる演出が施されています。

さらに、ゲームのタイトル「パスパルトゥー」は、映画『80デイズ』でのジャッキー・チェンのキャラクター名に由来しています。2015年12月にはプロトタイプ版が完成し、その後の発展を経て2017年に正式リリースされました。2023年4月には続編の『パスパルトゥー2:あるアーティストのキセキ（英題：Passpartout 2: The Lost Artist）』が発売され、さらなる物語が展開されています。

ゲームシステム

本作の中心的な要素は絵を描くことと、それを販売することです。プレイヤーは、所定のイーゼルを選択することで描画を開始できます。キャンバスは縦置きと横置きのどちらでも選ぶことが可能で、使用する色や筆の太さを選んで描画します。道具には初期の筆のほか、スプレーやペンも登場し、物語の進行に応じて追加されていきます。しかし、消しゴム機能やアンドゥ、リドゥといったペイントソフト特有の便利な機能は存在しません。

完成した絵は複数展示でき、来客の好みに応じて売れるチャンスがあります。各客には異なる嗜好があり、使用する色のバランスや描き方が評価され、買い手が提示する金額に納得すれば取引が成立します。しかし、過去に売った絵に似た作品を展示すると、客から指摘され購入につながらないこともあります。

定期的にパスパルトゥー宛ての請求書が届き、所持金から一定額が引かれます。所持金が不足するとゲームオーバーになってしまうため、お金の管理も重要な要素です。

ストーリーは第1幕から第3幕まで構成されており、特定の客の購入状況により物語の展開や登場人物が変わります。また、プレイヤーは「エンドレスモード」を選択すれば、ゲームオーバーなしで過去の舞台を体験することも可能です。

受賞歴

このゲームは、その魅力が評価され、2016年のSweden Game Conferenceで「Rookie of the Year」を受賞しました。さらに2017年にはIndie Prize Berlinでノミネートされ、2018年のNordic Game Awardsでは「Best Fun for Everyone」を受賞し、「Best Debut」にノミネートされています。

『パスパルトゥー：アーティストの描いた夢』は、アートとビジネスをテーマにした独創的なゲーム体験を提供する作品です。

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