パチンコガンダム駅

パチンコガンダム駅とは

パチンコガンダム駅とは、2012年9月から2013年3月にかけて、iOSの地図アプリケーション「マップ」において、JR東日本青梅線上に誤って表示されていた、架空の鉄道駅のことです。この珍妙な駅名は、iOS「マップ」アプリにおける日本での不具合を象徴する存在として、当時各種メディアで取り上げられ、話題となりました。

発端

2012年9月19日、iOS 6がリリースされました。このアップデートの大きな変更点の一つが、地図データ提供元の変更でした。それまでiOS標準の地図アプリはGoogle Mapsのデータを利用していましたが、Appleは自社開発の地図データに切り替えたのです。しかし、この新しい地図アプリは、提供開始直後から誤表示の多さが指摘されるようになり、特に日本で問題視されたのが、青梅線に表示された「パチンコガンダム駅」でした。

パチンコガンダム駅の位置と由来

パチンコガンダム駅は、昭島駅から中神駅方面へ約400mほどの場所に表示されていました。この駅名の由来は、かつて昭島駅に隣接していた「パチンコガンダム」というパチンコ店であると考えられています。しかし、このパチンコ店は2006年頃に「パチンコゴールドエックスあきしま」と名称を変更し、2016年には閉店・解体されています。「パチンコガンダム」時代には、店内にアニメ『機動戦士ガンダム』関連グッズが多数置かれており、当時の店長のガンダム愛が伺えます。

発生原因

パチンコガンダム駅が出現した原因としては、Appleの地図作成処理における技術的な問題が考えられます。まず、線路をまたぐ施設を駅と誤認識する自動処理が働いた可能性があります。また、元のパチンコ店とパチンコガンダム駅の位置がずれている要因としては、日本測地系と世界測地系の混在が影響している可能性も指摘されています。この測地系の混在は、日本全土の位置情報に存在する問題であり、バグを誘発しやすい要素と言えます。さらに、6年以上前の古い店名が使用されていたことから、データの古さも原因の一つとして考えられます。

その後

ネット上では、今後も「パチンコガンダム駅」を残してほしいという声もありましたが、2013年3月11日の日本地図データアップデートによって、この駅は地図から姿を消しました。また、iOSのマップアプリは世界中で不具合報告が相次ぎ、ティム・クックCEOが謝罪する事態に発展し、担当役員が更迭されるなどの対応が行われました。

関連項目

マップ (Apple)#初期の不正確さ#%E5%88%9D%E6%9C%9F%E3%81%AE%E4%B8%8D%E6%AD%A3%E7%A2%BA%E3%81%95) - 同様のトラブル例
アーグルトン - Googleの地図上にのみ存在したイギリスの架空の町

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