パック (アイスホッケー)

アイスホッケーにおけるパック

アイスホッケーにおいて、パックは試合の要となる重要な道具です。これは、球技におけるボールに相当し、加硫処理された硬質ゴムで作られた円盤状の物体です。選手たちはスティックを使ってこのパックを操り、相手のゴールにシュートすることで得点を競います。一般的に、公式戦で使用されるパックのサイズは、厚さが1インチ（約2.54cm）、直径が3インチ（約7.62cm）、そして重さが5.5から6オンス（約156-170g）と規定されています。

パックの起源

アイスホッケーの起源には諸説ありますが、有力なのはカナダで氷上で行われていたフィールドホッケーが元になったという説です。当初はフィールドホッケーで使用されるゴム製のボールが使われていましたが、氷上では弾みすぎるため、選手たちはボールの上部と下部を切り落として現在のパックの形を作ったと考えられています。

「パック」という言葉の由来と転用

「パック」という言葉の語源は明確にはなっていませんが、オックスフォード英語辞典によると、動詞「to puck」（棒で突くという意味の「poke」と同語源）に由来するとされています。これは、アイルランドのハーリングというスポーツで、ボールを打って進める動作を表す言葉が転用されたと考えられます。また、アメリカ南部の一部地域では「パック」のことを「ディスク」と呼ぶこともあります。

英語圏ではかつて、「ホッケーパックのように口をつぐむ（dumb as a hockey puck）」という慣用句が存在しました。さらに、コンピュータのマウスを「ホッケーパック」と比喩することもあります。この場合、その小ささ、丸さ、そして人間工学に基づかないデザインを揶揄する意味合いが含まれます。

パックの使用方法

試合前、パックは数時間冷やされます。これは、氷上でのパックの跳ね返りを抑え、滑りを良くするためです。パックの温度が高いと、氷を溶かしてしまい、動きにくくなるためです。スティックで打撃されたパックは、時速160km/hもの速度に達することがあり、アイスホッケーの試合ではパックによる怪我も少なくありません。過去には、観客席に飛び込んだパックが観客を直撃し、死亡事故につながった事例も存在します。

パックの種類

パックには様々な種類があります。最も一般的なのは黒色の6オンスのパックですが、青色の4オンスのパックも存在します。青色のパックは、重いパックを扱うのが難しい若年層の選手が練習で使用することが一般的です。また、1990年代後半には「スマートパック」という、位置を電子的に追跡できるパックも開発されました。これは、テレビ中継でのハイライトシーンの作成に活用されています。

水中ホッケーでの使用

水中ホッケーでもパックは使用されます。この場合、形状はアイスホッケー用とほぼ同じですが、パックの中心部に金属を埋め込み、プラスチックでコーティングすることで、重量を約1.5kg程度にまで増やし、プールの底に沈むように作られています。水中ホッケーは、各チーム6人で水中のゴールにパックを入れることを競います。

関連項目

• - アイスホッケー
• - G-SHOCK：アメリカでの宣伝で、パックの代わりに使っても壊れないというCMが放送されたことがあります。

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