パックマンワールド2

『パックマンワールド2』は、2002年7月25日にPlayStation 2向けにナムコ（現バンダイナムコエンターテインメント）からリリースされた、パックマンシリーズの3Dアクションゲームです。1999年に発売された『パックマンワールド 20thアニバーサリー』の直接的な続編にあたります。

ゲーム概要

本作は、シリーズの主人公であるパックマンを操り、多種多様なギミックが張り巡らされたステージを攻略していくことが目的です。アナログスティックと×、□ボタンといったシンプルなボタン操作で、ジャンプやヒップアタック、パックダッシュなどの多彩なアクションを繰り出すことが可能で、誰でも気軽に楽しめます。また、本作ではカメラが固定されておらず、プレイヤーが自由に視点を変更できるようになりました。これにより、前作と比較して距離感が掴みやすくなった半面、時には意図しないアングルになることもあります。ステージのゴール地点は光によって示されており、視覚的に分かりやすくなっています。

ゲームモードと拠点

基本的なゲームモードは、ストーリーに沿ってステージを進めるクエストモードのみです。しかし、過去のアーケード作品やミニゲームであるメイズは、冒険の拠点となる「パックマンむら」でプレイすることができます。パックマンむらには、パックマンや仲間たちが平和に暮らしており、様々な施設が存在します。

物語

物語の舞台は、緑とフルーツが豊かな島「パックランド」。パックマンたちは「パックマンむら」で穏やかな日々を送っていましたが、村の中央に立つ神秘的な「ゴールデンツリー」に実る5つの「ゴールデンフルーツ」が、ある夜、いたずら好きなゴーストたちによって奪われてしまいます。さらに、ゴールデンフルーツの力で長年封印されていた魔物「スプーキー」が復活。このままではパックランドからフルーツが消え、スプーキーの支配下に置かれてしまいます。パックマンは、パックランドの平和を取り戻し、奪われたゴールデンフルーツを奪還するため、危険な冒険へと旅立ちます。

アクション

パックマンは、持ち前の身体能力を活かした様々なアクションを駆使して難関に立ち向かいます。基本となる「ジャンプ」は敵の回避や穴を飛び越えるのに不可欠です。空中で×ボタンを押す「ヒップアタック」は、おしりで地面に衝撃を与え、敵を倒したり宝箱を壊したりする主要な攻撃手段です。また、通常のジャンプより高く跳躍することもできます。ジャンプ中に□ボタンで繰り出す「フリップキック」は、宙返りをしながら放つキックで、空中の敵や特定のオブジェクトを破壊するのに有効です。「パックダッシュ」は□ボタンで発動する高速移動で、素早い移動や仕掛けの起動、一部の敵への攻撃に利用します。水面での高いジャンプは「ドルフィンジャンプ」と呼ばれます。

アイテムと仕掛け

冒険の途中には、攻略に役立つ様々なアイテムや仕掛けが登場します。シリーズお馴染みの「パックドット」を集めるとライフが回復します。一時的に無敵になりゴーストを食べられるようになる「パワーエサ」や、メタルパックマンに変身してマグマや水底を歩けるようになる「メタルドット」は、難所攻略に欠かせません。ゴールデンフルーツは宝箱を開けるために必要となる収集アイテムです。その他、ライフ回復や残機増加のアイテム、ミスしても途中から再開できるチェックポイント、そして拠点でのミニゲーム解放に必要な「ナムココイン」などが存在します。ステージには、ヒップアタックで押すことで道が開ける「スイッチ」、パックマンを高く弾き飛ばす「トランポリン」、パックダッシュで動かす「ヘリベーター」、特定のフルーツで開く「宝箱」といった多様な仕掛けが配置されています。

登場キャラクター

パックマンは常に笑顔を絶やさない明るい性格ですが、真剣な話を聞く時やスケート中は気の抜けた表情を見せることも。放置すると体操したりドットでリフティングしたりとコミカルな一面もあります。ボス戦ではプレイヤーに助言を与える形で喋ります。敵としては、お馴染みの「ゴースト」たちが登場。通常はザコキャラクターですが、パワーエサを取るとイジケ状態になり食べられます。今作では紫色と赤色のゴーストがおり、赤色のゴーストは攻撃を仕掛けてくる上位種もいます。ストーリー上重要な敵として、ゴールデンフルーツを奪ったゴースト4人組（クライド、ブリンキー、インキー、ピンキー）がボスとして巨大マシンに搭乗して立ち塞がります。彼らを束ねるのが、復活した魔物「スプーキー」です。パックランドの支配を目論む彼に対し、パックマンはプロフェッサーパックやパックレンジャーといった味方に助けられながら戦います。シリーズでお馴染みのプーカ（ディグダグ）や、凶暴なクマ、レブロールラムなども敵キャラクターとして出現します。

ステージ構成

パックランドは複数のエリアに分かれており、「のどかなそうげん」のようなチュートリアルを兼ねた草原から、奈落の多い「まよいのもり」、凍てつく道の「ブレード山」、灼熱の「しゃくねつのどうくつ」、そして最終決戦の地となる「ゴーストアイランド」まで、バラエティ豊かなステージが用意されています。各エリアの最後には、ゴースト4人組や巨大なボスが待ち受けています。水中を進む強制スクロールステージや、パックマリン号での特殊なシューティングステージなど、趣向を凝らした構成も見られます。難易度も様々で、雪崩から逃れるステージや、狭い足場を渡るステージ、複雑な迷宮など、プレイヤーの腕が試されます。

おまけ要素

冒険で集めたナムココインを使用することで、パックマンむらにあるアーケードで、往年のナムコアーケードゲームをプレイできます。『パックマン』はもちろん、『ミズ・パックマン』『パックマニア』『パックアタック』といったタイトルが収録されており、いずれも2人対戦が可能です。また、ナムココインを使ってゲーム中のBGMを自由に聴けるジュークボックス機能も解放できます。

海外展開とその後

本作は日本ではPlayStation 2向けのみの発売でしたが、海外ではニンテンドーゲームキューブ、Xbox、Microsoft Windows、ゲームボーイアドバンスなど、多岐にわたるプラットフォームでリリースされました。また、2005年には続編となる『Pac-Man World 3』が、2008年から2010年には第4作目も開発されていましたが、こちらは残念ながらキャンセルされています。

まとめ

『パックマンワールド2』は、パックマンの持つ明るい世界観を3Dアクションとして見事に表現した作品です。シンプルな操作性ながらも、多様なアクションと仕掛けがプレイヤーを飽きさせません。懐かしのアーケードゲームも収録されており、シリーズファンはもちろん、新たなパックマンファンも楽しめる一本と言えるでしょう。

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