パッラヴォーロ・パドヴァ

イタリア北東部、ヴェネト州の歴史ある都市パドヴァを本拠地とする男子バレーボールクラブ、パッラヴォーロ・パドヴァは、イタリアバレーボールリーグにおいて長年にわたり活動を続けるチームの一つです。しばしば「トナッツォ・パドヴァ」という総称や、単に「パドヴァ」という通称で呼ばれることもあります。

創設から現代への道のり

クラブの起源は1971年に遡り、当初はペトラルカ・バレーとして設立されました。その後、1999年にはセンプレ・バレー・パドヴァとして新たなスタートを切り、2009年に現在の名称であるパッラヴォーロ・パドヴァへと改称されました。クラブの名称は、主要スポンサーの変更に伴い、設立以降何度か変遷を遂げています。

例えば、2001年から2002年にかけてはSempre Volley Padova、2002年から2005年にはEdilbasso & Partner Padova、2005年から2006年はGiotto Padova、2006年から2009年はAntonveneta Padovaとして知られていました。その後、Phyto Performance Padova、Fidia Padovaと変化し、2012年から2015年の期間はTonazzo Padovaとして活動しました。これらの名称の変遷は、クラブを支えるパートナーシップの歴史を示しています。

リーグでの戦いと栄光

パッラヴォーロ・パドヴァは、イタリア国内リーグ、特にセリエAにおいて長く経験を積んできました。1981年にセリエA2のレギュラーシーズンを制覇し、初のセリエA1昇格を果たしましたが、その後の2シーズンで再びA2への降格を経験しました。しかし、1984年には粘り強く戦い再びA1の舞台へ戻ってきました。1990年にはレギュラーシーズンで4位に入る健闘を見せ、プレーオフのセミファイナルまで駒を進めるなど、国内トップリーグで存在感を示しました。

しかし、クラブの歴史には困難な時期もありました。2009年にはレギュラーシーズンを厳しい成績（6勝20敗）で終え、勝点差によって最下位となり、実に25年ぶりにA2への降格を余儀なくされました。その後、2011年に再びA1へ昇格するも、翌2012年には再びA2へ降格するという変動を経験します。それでもクラブは再建に取り組み、2014年には三度A1の舞台へ返り咲きました。

国内主要タイトルであるセリエAおよびコッパ・イタリアでの優勝経験はまだありませんが、国際大会では輝かしい功績を残しています。CEVカップにおいては、1994年に優勝を果たし、クラブの歴史に国際タイトルの栄光を刻みました。

チームを彩った顔ぶれ

パッラヴォーロ・パドヴァの長い歴史の中で、多くの著名な監督や選手がチームに貢献してきました。歴代監督には、シルヴァーノ・プランディ氏、フランチェスコ・ダッロリオ氏、ブルーノ・バニョーリ氏、ロレンツォ・ベルナルディ氏、パオロ・モンタニャーニ氏、ヴァレリオ・バルドヴィン氏といったイタリアバレーボール界を代表する指導者たちが名を連ねています。

また、選手としては、フェルディナンド・デジョルジ、ロレンツォ・ベルナルディ、パオロ・トフォリ、アレッサンドロ・フェイ、バレリオ・ベルミリオ、マルコ・メオーニ、ダミアーノ・ピッピといったイタリアを代表する選手に加え、ベンツィスラフ・シメオノフ、ウラジミール・グルビッチ、パベウ・ザグムニ、アルカディウシュ・ゴアシュ、ミハウ・クビアク、フランツ・グランボルカ、ミッコ・エスコ、シモ＝ペッカ・オッリ、ビョルン・アンドレといった海外のスタープレイヤーも多数所属しました。

特筆すべきは、日本のバレーボール選手が複数人、パドヴァでプレーした実績があることです。越川優選手、石川祐希選手、そして高橋藍選手といった日本のトッププレイヤーたちが、イタリアの地で経験を積むためにパッラヴォーロ・パドヴァを選び、チームの歴史の一部となりました。これは、クラブが国際的な交流を持つ開かれたチームであることを示しています。

ユニフォームのデザイン

チームのアイデンティティを示すユニフォームは、ホーム、アウェイ、リベロ用でそれぞれ異なるカラーリングが採用されています。ホームゲームでは、メインカラーであるブラックのユニフォームを着用し、シャツネームと背番号はホワイトで表示されます。アウェイゲームでは、サブカラーであるホワイトを基調としたデザインが用いられます。リベロのユニフォームは、他のポジションと区別するためレッドが採用され、こちらもシャツネームと背番号はホワイトです。

パッラヴォーロ・パドヴァは、セリエAでの激しい競争の中、常に挑戦を続け、国際舞台での成功も経験しています。多くの国内外の才能が集まるこのクラブは、今後もイタリアバレーボール界において重要な存在であり続けるでしょう。

もう一度検索