パトリオット (民間軍事会社)

PMC「パトリオット」について

PMC「パトリオット」（ロシア語: ЧВК «Патриот»、PMC "Patriot"）は、2018年頃に設立されたロシアの民間軍事会社（PMC）です。アメリカのPMC、特にブラックウォーターUSAをモデルにして創設されたとされています。

概要

「パトリオット」は、ロシア国防省およびロシア連邦軍参謀本部情報総局（GRU）と緊密な協力関係を築いています。特に、セルゲイ・ショイグ前国防大臣がその運営に強い影響力を持つと考えられています。これは、ロシア政府がPMCを戦略的なツールとして利用していることを示唆しています。

主な業務は、紛争地域における政治家や要人の警護です。要員は元ロシア軍兵士の中から選抜され、他のロシアのPMC（例えばワグネル・グループ）と比較して、より高度な装備、訓練環境、そして高額な報酬が提供されています。具体的には、6,300米ドルから15,800米ドル相当の報酬を受け取っていると報告されています。この待遇の良さは、優秀な人材を集めるための重要な要素となっています。

「パトリオット」とワグネル・グループの間には、明確な役割分担が存在すると言われています。「パトリオット」は主に警護業務を担い、一方のワグネルは軍事作戦を遂行するという役割分担です。しかし、両社は互いに商機拡大を目指しているため、競争関係にある側面も否定できません。

活動歴

「パトリオット」は、シリア、イエメン、中央アフリカ共和国など、様々な地域で活動してきた実績があります。これらの地域での活動は、ロシアの外交政策や軍事戦略に深く関わっており、同社の活動が国際社会に与える影響は小さくありません。また、2022年ロシアのウクライナ侵攻以降、ワグネル・グループが反乱を起こしたことで、パトリオットがワグネルの作戦を引き継ぐ可能性があるとも報じられました。この動きは、ロシアのPMC業界における勢力図の変化を示唆しています。

まとめ

PMC「パトリオット」は、ロシア政府と密接な関係を持ち、高度な装備と待遇で要人警護を専門とする民間軍事会社です。ワグネル・グループとの競合関係や、国際的な紛争地域での活動は、今後も注目されるでしょう。ロシアのPMC戦略において、同社が果たす役割は非常に大きいと言えます。

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