パトリシア・オブ・コノート

パトリシア・オブ・コノートの生涯

概要

パトリシア・オブ・コノート（Princess Patricia of Connaught, 1886年3月17日 - 1974年1月12日）は、ヴィクトリア女王の孫娘であり、後にアレグザンダー・ラムジーとの結婚を経て「レディ・パトリシア・ラムジー」として知られるイギリス王族です。王族としての称号を手放した後も、彼女はイギリス王室の一員として活動を続けました。

幼少期と教育

パトリシアはロンドンのバッキンガム宮殿で生まれ、幼少期は多忙な家庭環境の中で、世界各国へと旅しました。父アーサー（コノート公）と母ルイーゼ・マルガレーテと共に過ごしたインドでの2年間は、彼女の感受性を育む大切な時期でもありました。さらに、父がカナダ総督に就任すると、彼女はカナダに赴き、広く知られるようになりました。

軍隊への貢献

1914年には、パトリシア王女カナダ軽騎兵連隊が創設され、その連隊長に1918年に就任します。彼女はその役職において非常に積極的に活動し、連隊の制服やバッジのデザインにも関与しました。この立場においても、彼女は後世にわたる影響を及ぼしています。彼女の後を継いだのは、名付け子であるパトリシア・ナッチブル（後のマウントバッテン・オブ・バーマ女伯爵）でした。

結婚生活

結婚問題は当時多くの注目を浴びていましたが、最終的に王族の血筋を持つ相手ではなく、父の副官であるアレグザンダー・ラムジーを選びました。二人の結婚式は1919年にウェストミンスター大聖堂で行われ、パトリシアはイギリス王族の称号と「Her Royal Highness」を放棄し、単に「レディ・パトリシア・ラムジー」と名乗ることとなりました。夫との間には一人息子アレグザンダーが生まれました。

王室との関係

王族の地位を捨てた後でも、パトリシアはイギリス王室の活動に積極的に参加しました。彼女は王位継承権を保持しており、様々な冠婚葬祭には必ず出席しました。特に、1937年と1953年の戴冠式には自ら出席し、その姿勢は国民にとって頼もしいものでした。

アートへの情熱

パトリシアは高い水準の水彩画家でもあり、その技術が評価されて1959年に王立水彩画家協会の名誉会員となりました。彼女の作品は熱帯地域での風景や文化からインスパイアを受けており、ゴーギャンやゴッホの影響も見受けられます。彼女の芸術的な活動は、単なる趣味にとどまらず、彼女の人生の一部となっていました。

最晩年

1974年にサリー州ウィンドルサムのリブスデン・ホルトで息を引き取ったパトリシア。彼女の生涯は、単なる王族の枠を超え、広範な影響をもたらしました。彼女の存在は、王室にとどまらず、文化や芸術の分野においても光を投げかけ、今もなお人々の記憶に残っています。

参考文献

• - Marlene A. Eilers, Queen Victoria's Descendants, (New York: Atlantic International Publishing, 1987).
• - Allison Weir, Britain's Royal Families: The Complete Genealogy (London: Palmico, 1996).
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