パドルコントローラ

パドルコントローラについて

パドルコントローラは、ゲームプレイの際に回転させて操作するための円形のツマミを備えたデバイスです。一般的には「パドル」と呼ばれるこのコントローラは、特に卓球を模したゲーム『ポン』で有名になり、ボールを打ち返す形式のゲームで多く使用されています。元々の「パドル」という言葉は、英語で卓球のラケットを指しますが、そこから派生してゲーム関連の文脈でも使われるようになりました。

操作方法

パドルコントローラのツマミは、ゲーム画面で特定の物体を操作する際に役立ちます。主に、画面上で動くボールを打ち返すための「パドル」を制御するために使用されます。このコントローラは、ステアリングコントローラと同様に、角度を入力するデバイスとしての機能を果たします。例えば、アーケードゲーム『Night Driver』のAtari 2600版では、これを車のハンドルと思わせて使用することもありますが、基本的にはレース用のステアリングコントローラとは異なります。

パドルコントローラの操作は、ジョイスティックや十字キーのような押しボタンによる操作と明確に異なります。前者が単に方向を示唆するのに対し、後者は回転角度を示すため、より直感的な操作が可能です。他の分野では、ラジコン模型自動車の操縦機器で類似の機能を持つ「ホイラー」という名称が使われることもありますが、ゲームコントローラ専用の用語ではありません。

構造

パドルコントローラの初期モデルはポテンショメータを用いており、角度をアナログな抵抗値として取得します。この時、アナログ-デジタル変換回路を介して数値化されます。通常、回転範囲は約330°ですが、ゲームプレイにおいては頻繁に回転させられるため、耐久性の問題が重要な課題となっていました。そのため、『キャメルトライ』のようなゲームでは、一方向へのスムーズな回転が求められる場合には適していません。

さらに、『アルカノイド』ではロータリエンコーダが使用されており、無限回転が可能で、光センサー式なら摩耗も少なく、故障も起きにくい特性があります。このため、後のアーケードゲームでは光センサー式が主流となりました。ロータリエンコーダにはアブソリュート型とインクリメンタル型があり、コストやゲームの特性によって使い分けが行われます。

利用例

様々なビデオゲームにおいて、特に操作が単純な初期のタイトルで多く見られるのがパドルコントローラです。まず、商業的に成功した家庭用ゲーム機Atari 2600は、多数のゲームにパドルコントローラに対応していました。また、VIC-1001（国際的にはVIC-20）などの初期のパーソナルコンピュータでもこのタイプのコントローラが使用されていました。さらに、携帯型ゲーム機の珍しい採用例として、初のカートリッジ交換型であるMicrovisionにも小型のパドルが装備されていました。

さらに興味深いことに、『キャメルトライ』のパソコン版では、マウスを利用した特殊なパドルコントローラが製作されました。これは、マウスパッドを回すことでセンサーを活用するという、ユニークなアプローチです。

関連項目

• - ゲームコントローラ
• - ゲームパッド
• - ジョイスティック

このように、パドルコントローラはゲームの進化とともに多様な形で利用され続け、プレイヤーに直感的な操作を提供し続けています。

もう一度検索