パナソニック プラズマディスプレイ

パナソニックプラズマディスプレイ株式会社について

概要

パナソニックプラズマディスプレイ株式会社（通常、PPDと略される）は、プラズマディスプレイやそれに関連する製品を製造していた日本の電気機器メーカーです。本社は大阪府茨木市に位置しており、2000年に設立されました。設立当初からパナソニック（旧松下電器産業）が75%、東レが25%を出資していました。

同社は設立から約10年ほどの間に、プラズマパネルの世界市場でトップシェアを獲得しました。特に2009年第3四半期には、47.6%のシェアを誇り、その後も競合他社に対して優位性を保っていました。しかし、液晶テレビの性能向上や有機ELテレビの普及に伴って、プラズマテレビの事業環境は厳しさを増していきました。

工場と生産能力

パナソニックプラズマディスプレイ社は、大阪府内に複数の工場を構えていました。中でも茨木工場は、松下電器のテレビ事業部からの流れを受け継ぎ1958年から稼働していました。製品の生産能力も高く、一時期は月産が最大100万台に達していました。しかし、時代の流れによりその工場は徐々に休止され、2014年3月にはプラズマ事業から完全撤退となりました。

市場シェアと経営の変遷

2005年第4四半期には世界シェア28%を維持していましたが、翌年にはLG電子にシェアを奪われる局面も見られました。それでも、同年の第4四半期には再び1位に回帰し、その後も高いシェアを維持していました。しかし、2011年に売り上げが低迷し、大量の在庫を抱える事態に至ったため、従業員のリストラを含む構造改革を余儀なくされました。

会社は2012年に、工場の生産を第4工場に集約し、年間の生産能力も大幅に減少しました。この後、プラズマテレビの製造は2014年までに全て終了し、同社はプラズマ事業から撤退しました。これに伴い、大和ハウス工業が工場敷地を購入し、新たな開発が進められていくことになりました。

偽装請負問題

パナソニックプラズマディスプレイ社では、2005年に発生した偽装請負問題が注目を浴びました。この事件では、約700名の請負労働者が同社で違法な雇用形態に遭遇していることを告発しました。大阪労働局の調査により、同社は違法状態を是正するための指導を受けましたが、実際には法の網をくぐる形で請負労働者の雇用を継続しました。

この問題は法廷にも持ち込まれ、判決の結果は複雑な経緯をたどりました。最終的には、報復行為に対する賠償命令が下される結果となりました。

解散と現在

2016年には大阪地方裁判所に解散申請がされ、その後特別清算が開始されました。これにより、パナソニックプラズマディスプレイ社は一つの歴史を閉じることとなり、プラズマディスプレイの時代が終焉を迎えました。今では、かつての工場跡地が新たな事業に生まれ変わっていく様子が見られます。

パナソニックプラズマディスプレイの歩みは、技術革新と市場変化の流れを体現したものであり、これまでの映像技術の発展に貢献した重要な企業であったと言えるでしょう。

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