パパママバイバイ

『パパママバイバイ』

『パパママバイバイ』は、早乙女勝元が手がけた絵本であり、それを基に制作された劇場用アニメーション映画です。この作品は、1977年に横浜市で起こった米軍機墜落事件を背景にしています。

絵本の概要

絵本のタイトル「パパママバイバイ」は、同書の登場人物であるユー君の最後の言葉として知られています。この作品は1979年に草土文化社から出版され、作詞は門倉さとし、作画は鈴木たくまが担当しました。2001年には、日本図書センターにより再販されています。ISBNは4-8205-6611-3です。この絵本は、母親や子供たちに向けて、命の大切さや愛の深さを伝える作品として多くの人に親しまれています。

映画の概要

1984年に公開されたアニメ映画『パパママバイバイ』は、絵本を原作とし、ホールで自主上映されました。カラー75分で、戦争や命に関する重いテーマが描かれています。

ストーリー

物語は、横浜に住む兄弟ユー君とヤス君、そして隣に住む少女かおりとの日常から始まります。彼らは両親から愛情をたっぷり受けて育ち、楽しい毎日を過ごしています。しかし、運動会の日、風邪をひいたユー君とヤス君は参加できず、自宅でママと共にかおりを応援することになります。運動会の真っ最中、米軍のRF-4BファントムIIがエンジン火災を起こし、制御を失って墜落します。住宅地に落下した戦闘機は大爆発を引き起こし、周囲の住宅が巻き込まれます。

この惨劇を目の当たりにしたかおりは駆け寄りますが、近づくことができず、悲しみに暮れます。その後、自衛隊のヘリコプターが到着しますが、無傷の米軍パイロットだけを救出し去ってしまいます。残されたかおりの友人、新八はこの現実に激怒します。

ユー君とヤス君は、母と共に救出されて病院に運ばれますが、ユー君はその夜、「パパママバイバイ」と名残惜しげに語り、兄のヤス君も短い人生を終えます。4ヶ月後、ユー君の母は治療を受けながらも、二人の子供の死を知らされることはありませんでした。この物語は、幼い命を奪った悲惨さや、米軍パイロットが責任を問われなかった理不尽さを描いています。

スタッフ

映画の監督は設楽博で、制作は株式会社映像企画が行いました。脚本や音楽、美術など、多くのクリエイターが関与し、高いクオリティを実現しています。

主な声の出演

• - ユー君：三田ゆう子
• - ヤス君：永井秀男
• - パパ：青野武
• - ママ：日色ともゑ
• - かおりちゃん：冨永みーな

まとめ

『パパママバイバイ』は、愛情と悲劇が交錯する物語であり、観る者に深い感動を与えてくれる作品です。命の大切さや、戦争の残酷さについて考えさせられる内容となっています。

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