パピヨン (犬)

パピヨン：優雅な蝶の翼を持つ愛らしい犬

パピヨン（Papillon）は、フランス語で「蝶」を意味し、その名の通り、蝶が羽根を広げたような形の耳が特徴的な小型犬です。優雅な外見と活発な性格で、世界中で愛されています。

歴史

パピヨンの起源は、15世紀のスペインのトイ・スパニエルにあるとされています。その後、フランスをはじめとするヨーロッパの貴族の間で人気が高まりました。ポンパドゥール夫人やマリー・アントワネットなどの著名人もパピヨンを愛し、肖像画にも度々登場しています。

当時のヨーロッパでは、入浴の習慣があまりなく、ノミやダニなどの害虫が問題となっていました。パピヨンは、これらの害虫を追い払うために飼育されることもありました。

フランス革命の際には、貴族と共に多くのパピヨンが殺害されるという悲劇もありました。

ブルボン朝時代までは、垂れ耳の個体が一般的で、リスのように巻いた尾を持っていたことから「リス犬」とも呼ばれていました。19世紀末頃、スピッツやチワワとの交配によって立ち耳のパピヨンが誕生し、現在の姿となりました。垂れ耳の個体は、現在では「ファーレーヌ（Phalène、フランス語で蛾の意）」と呼ばれています。

また、パピヨンはネズミを追いかける習性があり、ネズミ捕りの犬としても活躍していました。

特徴

小型犬: 体高は約28cm、体重は1.5〜5kg程度です。
性格・性質: 活発で賢く、人懐っこい性格です。一見華奢ですが、比較的丈夫で、少し神経質な面もあります。
外観: 最も特徴的なのは、蝶の羽根のような形の耳です。毛色は白地に様々な色の斑があり、美しい飾り毛を持っています。
寿命: 平均寿命は12〜20年と比較的長寿です。

健康上の注意点

パピヨンは遺伝性の病気が少ない犬種ですが、以下の点に注意が必要です。

膝蓋骨脱臼: 膝の関節が外れやすい病気です。フローリングなどの滑りやすい床での生活は避け、適切な体重管理を心がけましょう。
眼瞼内反症（逆さまつげ）: まつげが内側に向かって生え、目を刺激する病気です。涙や目やにが多い場合は、獣医さんに相談しましょう。

パピヨンとの生活

パピヨンは、賢くしつけやすい犬種なので、初心者でも飼いやすいでしょう。活発な性格なので、十分な運動をさせてあげることが大切です。美しい被毛を保つためには、こまめなブラッシングが必要です。

パピヨンは、あなたの生活を明るく彩ってくれる素晴らしいパートナーとなるでしょう。

参考文献

愛犬の友編集部編　『パピヨン』　誠文堂新光社、2005年
「パピヨン」『ペット大図鑑』　goo

関連項目

犬の品種一覧

外部リンク

みんなの犬図鑑

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