パブロ・マテーラ

パブロ・マテーラ（Pablo Matera）は、1993年7月18日生まれ、アルゼンチンの首都ブエノスアイレス出身のプロラグビーユニオン選手です。ポジションは主にフランカー（FL）を務め、そのパワフルなプレーとリーダーシップで知られています。身長は193cm、体重は98kgと、現代ラグビーにおけるフランカーとして理想的な体格を持っています。現在は、日本のジャパンラグビーリーグワンに所属する三重ホンダヒートで活躍しています。

マテーラ選手の代表キャリアは、若くして始まりました。U20アルゼンチン代表に選出され、早くから国際舞台での経験を積んでいます。その後、アルゼンチン代表、通称「ロス・プーマス」の中心選手へと成長しました。2022年11月時点で、アルゼンチン代表としてのキャップ数は91を数え、長きにわたり代表チームに貢献しています。ラグビーワールドカップには2度出場しており、2015年のイングランド大会、そして2019年の日本大会でプレーしました。特に2019年大会では、チームのキャプテンとしてチームを牽引するという重責を担いました。また、世界選抜チームであるバーバリアンズにも選出されるなど、その実力は国際的にも高く評価されています。

クラブキャリアにおいては、アルゼンチンの国内チームであるパンパスXVでプロとしての第一歩を踏み出しました。その後、海を渡り、イングランドの強豪クラブ、レスター・タイガースでプレー。さらに、スーパーラグビーに参戦していた母国のチーム、ハグアレスでも活躍し、チームの躍進に貢献しました。ハグアレスでの成功を経て、2019年にはフランス最高峰リーグであるトップ14のスタッド・フランセへと移籍。欧州のトップクラブでその才能を発揮しました。2021年には、南半球スーパーラグビーの名門、ニュージーランドのクルセイダーズに加入し、異文化のラグビースタイルにも適応する柔軟性を見せました。

しかし、キャリアには困難な時期もありました。2020年12月、過去に彼が行った差別的かつ外国人嫌悪に当たる内容のソーシャルメディア投稿が明るみに出ました。この問題は大きな批判を呼び、アルゼンチンラグビー協会はマテーラ選手に対し、代表チームの主将職を剥奪し、出場停止処分を科しました。この一件はラグビー界内外に波紋を広げましたが、マテーラ選手はその後もプロ選手としてのキャリアを継続し、再び国際舞台でもプレーするまでに至っています。

そして2022年、マテーラ選手は新たな挑戦の場として、日本のジャパンラグビーリーグワンを選択し、三重ホンダヒートへの加入を発表しました。日本での公式戦デビューは、2022年12月17日に行われたリーグワンDIVISION 2の浦安D-Rocksとの開幕戦でした。この試合に先発フランカーとして出場し、持ち前のフィジカルとワークレートでチームに貢献しました。リーグワンでの活躍は目覚ましく、そのプレーは多くのラグビーファンを魅了しています。

主な受賞歴

ワールドラグビー男子15人制ドリームチーム: 2022年
ジャパンラグビーリーグワン 2022-23シーズン: プレーヤー・オブ・ザ・シーズン (DIVISION 2), ゴールデンショルダー (DIVISION 2)

パブロ・マテーラ選手は、そのキャリアを通じて、フィジカルの強さ、粘り強いタックル、そしてフィールド全体をカバーする高いワークレートを持つ世界トップクラスのフランカーとして評価されています。過去の困難を乗り越え、現在も日本のリーグワンでプレーを続ける彼の存在は、三重ホンダヒートにとってだけでなく、日本のラグビー界全体にとっても大きな財産となっています。今後の更なる活躍が期待される選手です。

もう一度検索