パラオ大空襲

パラオ大空襲

パラオ大空襲とは、1944年3月30日から31日にかけて実施されたアメリカ海軍の航空攻撃で、日本軍の重要拠点であるパラオを標的としました。この攻撃は、ニューギニア島ホーランジアへの上陸作戦を支援するために行われ、アメリカ軍は事前に日本の航空および海上戦力を抑えることを目指しました。

背景

1944年2月のトラック島空襲により、日本海軍は重要な拠点を失いました。そこで古賀峯一大将は、パラオを新たな前進基地に定め、艦隊を集結させました。日本の基地航空隊は、ソロモンからの再建機とともに270機の航空戦力を整え、迎撃態勢を整えました。一方、アメリカ軍のニミッツ提督とマッカーサー大将が指揮する連合軍は、パラオに対する航空攻撃を計画し、ディセクレイト・ワン作戦として知られる作戦を展開しました。

戦闘経過

アメリカ軍の第58任務部隊は、メジュロ環礁を出撃し、3月30日午前6時30分にパラオに向けて第一次攻撃を開始しました。この攻撃は、パラオ周辺の日本艦隊や地上防衛施設を狙ったもので、同時に機雷の敷設も行われました。日本側は迎撃のために空中戦闘機を派遣しましたが、大半が撃墜され、多くの地上部隊も壊滅寸前に追い込まれました。

日本の基地航空隊は、29日の薄暮攻撃で少なからぬ戦果を挙げたものの、アメリカ側の記録では損害は軽微でした。

3月31日にも空襲は続き、日本側に残された艦船や輸送船は次々と沈没し、特に重要な支援艦船や輸送船が大半を失いました。一方、アメリカ軍は比較的軽微な損害で済みました。

結果と影響

パラオ大空襲の結果、日本軍は戦艦や支援艦船を含む多数の艦船を失いました。特に唯一の本格的工作艦であった「明石」の沈没は、日本海軍の艦船整備能力を著しく低下させる結果となりました。また、147機の航空機も損失し、多くの部隊が再建不能に陥りました。対するアメリカ軍は航空機25機を失ったものの、全体として成功を収めました。

この攻撃は日本の連合艦隊司令部に混乱をもたらし、古賀司令長官は殉職しました。そのため指揮権の継承に問題が生じ、作戦計画における混乱が生じました。
日本軍はバランスの崩れた指揮と遅れが敗因とされ、退避の指示が徹底されなかったことが大損害に繋がりました。

まとめ

パラオ大空襲は、日本軍にとって戦略的な損失となり、以降の戦局にも深刻な影響を与えることとなりました。アメリカ軍の成功は、連合軍による太平洋戦線での反攻において重要な一歩となり、以降の作戦展開に向けた重要な根拠を築くことになりました。

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