パラドーン・スリチャパン

パラドーン・スリチャパン：タイが生んだテニス界の英雄

パラドーン・スリチャパン（Paradorn Srichaphan）は、1979年6月14日タイのバンコクで生まれました。彼は、男子プロテニス選手として、その名を世界に轟かせました。シングルスでの自己最高ランキングは9位（2003年5月）を記録し、ATPツアーではシングルスで5回の優勝を果たしました。右利きで、バックハンド・ストロークは片手打ちというプレースタイルでした。身長185cm、体重81kgという恵まれた体格も、彼のテニスプレーを支える要素の一つでした。

生い立ちとプロへの道

パラドーンは、銀行員の父親と学校教師の母親を持つ家庭で育ちました。6歳からテニスを始め、父親は息子のために銀行員を辞め、コーチとしてパラドーンを支えました。1996年には世界ジュニアランキングで10位に入るなど、早くからその才能を発揮し、1997年にプロへ転向しました。

デビスカップ代表と世界への飛躍

1998年からは、男子国別対抗戦デビスカップのタイ代表選手として活躍しました。2002年のウィンブルドン選手権2回戦では、第3シードのアンドレ・アガシを破るという大金星を挙げ、世界的な注目を集めました。この勝利をきっかけに、同年8月にはパイロット・ペン・テニスでツアー初優勝を果たし、その2ヶ月後にはストックホルム・オープンでも優勝しました。この年は他にも準優勝を2度経験するなど、アジア男子テニス界のトップ選手として躍進を遂げました。

アジアの英雄、そして引退へ

2003年4月21日には、アジア国籍の選手として初めてATPランキングでトップ10入りを果たし、5月12日には9位にまで上り詰めました。同年には『タイム』誌のアジア版で「アジアの英雄29人」に選ばれるなど、テニス界だけでなく、タイの国民的英雄としての地位を確立しました。2004年のアテネ五輪開会式では、タイ選手団の旗手を務めました。

しかし、その後は右手首の故障に悩まされ、2007年3月のマイアミ・マスターズを最後に試合から遠ざかりました。2009年にはタイ・オープンのダブルスに出場しましたが、初戦で敗退。この試合が現役最後の出場となり、2010年6月に現役引退を発表しました。

私生活

スリチャパンは、2003年頃に歌手のタタ・ヤンと交際していましたが、周囲の反対により破局。その後、2007年11月29日に2005年ミス・ユニバース優勝者のナタリー・グレボヴァと結婚しましたが、2011年に離婚しました。

主な戦績

ATPツアー決勝進出：シングルス11回（5勝6敗）

4大大会シングルス成績：省略

パラドーン・スリチャパンは、その輝かしい成績と人柄で、タイのテニス界に多大な貢献をしました。彼の功績は、今後も長く語り継がれることでしょう。

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