パラレルポート

パラレルポート：コンピュータと周辺機器を結ぶインタフェース

パラレルポートとは、コンピュータと周辺機器（主にプリンタ）を接続するための物理的なインタフェースです。かつてはプリンタポートとも呼ばれ、広く利用されていましたが、USBインタフェースの普及により、現在ではその姿を消しつつあります。

パラレル通信：複数の線を同時に使う高速なデータ転送

パラレルポートでは、データは複数の線を使って同時に転送されます（パラレル通信）。これは、シリアル通信のように1本の線でデータビットを順番に送る方法とは対照的です。この並列処理によって、高速なデータ転送が可能になります。ただし、線の数が多い分、ケーブルが複雑になり、距離が長くなると信号劣化の問題も発生しやすくなります。

IEEE 1284とセントロニクス型

パラレルインタフェースには様々な種類がありますが、「パラレルポート」といえば、一般的にはIEEE 1284規格に準拠したインタフェースを指します。これはセントロニクス型とも呼ばれ、プリンタとの接続に広く採用されていました。この規格は、データ転送速度や通信モードなどを規定しており、安定した通信を実現しています。

USBへの置き換えと衰退

2000年代中頃以降、USBインタフェースの急速な普及により、パラレルポートは多くの分野でUSBに置き換えられました。USBは、より高速で、接続が容易で、省スペースなため、パラレルポートにとって強力な競合相手となりました。現代のプリンタは、ほとんどがUSBやLAN接続に対応しており、パラレルポートを備えたプリンタはほとんど見られなくなりました。さらに、コンピュータ自体もコスト削減などの理由から、パラレルポートを搭載していないものが増えています。

ポートアドレスとピン割り当て

従来のIBM PC互換機では、パラレルポートは特定のポートアドレスに割り当てられていました。標準的なパラレルポート（SPP）では、それぞれのピンに特定の信号が割り当てられており、データの送受信や制御信号のやり取りが行われます。ピン割り当ての詳細については、関連文献を参照してください。ピンにはデータ信号線、制御信号線、電源線などが含まれ、これらの信号の組み合わせによって、プリンタとの通信が制御されています。中には、ビットの値とハードウェアの値が反転しているピン（~で示される）もあります。この反転は、ハードウェアの仕様によるものです。

パラレルポートの未来

現在、パラレルポートはレガシー技術となり、新しいシステムではほとんど使用されなくなりました。しかし、古い機器との接続が必要な場合や、特殊な用途では、依然として利用されることがあります。しかし、その存在感は薄れつつあり、今後さらに使用機会が減少していくと予想されます。技術の進歩は常に新しいインタフェースを生み出し、古い技術は淘汰されていく、その流れの中でパラレルポートは歴史の1ページを刻んだと言えるでしょう。

関連文献

Axelson, Jan (2000). Parallel Port Complete. Lakeview Research. ISBN 0-9650819-1-5.

参考情報

Parallel Port Interfacing from Windows OS
Parallel ports of modern and obsolete computers - pinouts and signals
Undocumented Printing: Communication Protocols - Parallel Port
* Capture print on parallel port hardware

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