パリメトロ10号線

パリメトロ10号線：パリの街を東西に貫く地下鉄路線

パリメトロ10号線は、フランスのパリ市内を東西に横断する地下鉄路線です。パリ交通公団（RATP）が運営し、パリ西部に位置するブローニュ＝ビヤンクール近郊のブローニュ＝ポン・ド・サン＝クル駅から、東部のオステルリッツ駅までを結んでいます。

複雑な路線形態と歴史

10号線は、その路線形態に特徴があります。パリ市内を東西に走る路線は、ブローニュ＝ジャン・ジョレス駅で南北に分岐し、それぞれの支線がセーヌ川を渡り、ジャベル＝アンドレ・シトロエン駅で再び合流するという、やや複雑な経路をとっています。この南北に分岐する構造が、10号線の大きな特徴と言えるでしょう。

現在の10号線は1981年に完成した姿ですが、その歴史は古く、1913年には既に8号線の一部として、現在のシャルル・ミッシェル駅周辺が開業していました。その後、路線の延伸や変更を経て、1923年に10号線として正式に開業し、現在に至ります。当初の8号線の一部路線が、後の路線変更により10号線の一部となったという、歴史的経緯も興味深い点です。

主要駅と沿線の特徴

西側の起点であるブローニュ＝ポン・ド・サン＝クル駅は、パリ西郊のブローニュ＝ビヤンクールという街に位置し、緑豊かなブローニュの森に近い立地です。そこから東に向かって伸びる路線は、様々な地区や観光地を縫うように走っています。

南側の支線は、ミケランジュ＝モリトール駅、シャルドン＝ラガシュ駅といった駅を経由し、セーヌ川を渡ります。一方、北側の支線は、ポルト・ドートゥイユ駅、ミケランジュ＝オートゥイユ駅を経由してセーヌ川を渡ります。両支線は、ジャベル＝アンドレ・シトロエン駅で合流します。南側の支線はオステルリッツ駅方面への一方通行、北側の支線はブローニュ＝ポン・ド・サン＝クル駅方面への一方通行となっており、乗換などに注意が必要です。

合流点以降は、ほぼ東へ向かい、ラ・モット＝ピケ＝グルネル駅（メトロ6号線、8号線と接続）、デュロック駅（メトロ13号線と接続）、セーヴル＝バビロヌ駅（メトロ12号線と接続）といった主要駅を経由します。さらに、サンジェルマン・デ・プレやカルチェ・ラタンといったパリを代表する地区を通過し、終点のオステルリッツ駅（メトロ5号線、RER C線と接続）に至ります。オステルリッツ駅は、パリの主要駅の一つであり、多くの観光客や通勤・通学者で賑わっています。

駅一覧

10号線は、ブローニュ方面からオステルリッツ駅へ向かう一方通行の路線ですが、ブローニュ＝ジャン・ジョレス駅とジャベル＝アンドレ・シトロエン駅の間で南北に分岐しているため、実際には多くの駅が利用可能です。主要な駅を以下に列挙します。

ブローニュ方面から分岐点まで:
ブローニュ＝ポン・ド・サン＝クル駅
ブローニュ＝ジャン・ジョレス駅

南側の分岐線:
ミケランジュ＝モリトール駅 (メトロ9号線接続)
シャルドン＝ラガシュ駅
ミラボー駅

北側の分岐線:
ポルト・ドートゥイユ駅
ミケランジュ＝オートゥイユ駅 (メトロ9号線接続)
エグリーズ・ドートゥイユ駅

南北分岐線の合流からオステルリッツ駅まで:
ジャベル＝アンドレ・シトロエン駅 (RER C線接続)
シャルル・ミッシェル駅
アヴニュ・エミール・ゾラ駅
ラ・モット＝ピケ＝グルネル駅 (メトロ6号線、8号線接続)
セギュール駅
デュロック駅 (メトロ13号線接続)
ヴァノー駅
セーヴル＝バビロヌ駅 (メトロ12号線接続)
マビヨン駅
オデオン駅 (メトロ4号線接続)
クリュニー＝ラ・ソルボンヌ駅 (RER B線、C線接続)
モベール＝ミュテュアリテ駅
カルディナル・ルモワヌ駅
ジュシュー駅 (メトロ7号線接続)
* オステルリッツ駅 (メトロ5号線、RER C線接続)

まとめ

パリメトロ10号線は、複雑な路線形態と歴史、そして多くの観光地や主要駅へのアクセスを特徴とする、パリ市民にとってなくてはならない公共交通機関です。パリを訪れる際には、ぜひ利用して、パリの街を満喫してみてください。

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