RER B線

RER B線：パリの南北を駆け抜ける大動脈

RER B線は、フランス・イル＝ド＝フランス地域圏の公共交通機関であるRER（Réseau express régional d'Île-de-France）の路線の一つです。シャルル・ド・ゴール空港とオルリー空港というパリの主要空港を結ぶ重要な役割を担い、パリ市内中心部と空港間のアクセスを確保する幹線として機能しています。南北方向に延びる路線は、多くの乗客を運び、パリの日常生活に欠かせない存在となっています。

空港アクセスと犯罪問題

B線は、多くの旅行者や空港利用客が利用するため、残念ながらスリや強盗といった犯罪の多発も問題となっています。在フランス日本国大使館も注意喚起を呼びかけており、利用する際には周囲への警戒を怠らないことが重要です。

路線と運行形態

B線は大きく分けて、南部区間と北部区間、そしてパリ市内区間から構成されています。南部区間は、かつてのソー線（Sceaux線）を改良したもので、リュクサンブール駅から南方に伸びています。パリ市内区間では、地下線を走行し、シャトレ・レ・アル駅でRER A線と接続、パリ北駅では在来線と接続しています。北部区間では、地上線を走行し、パリ北駅の先でパリ＝ミトリ線やオルネー＝ロワシーCDG線と接続します。1983年の地下新線全通により、南部と北部間の直通運転が可能となり、利便性が向上しました。

運行主体と路線系統

RER B線の運行は、歴史的経緯からRATP（パリ交通公社）とSNCF（フランス国鉄）の二者によって行われています。北部区間はSNCF、パリ市内と南部区間はRATPがそれぞれ運行を担当しています。具体的には、B3系統（シャルル・ド・ゴール空港第二ターミナル - オルネー・スー・ボワ - パリ北駅）、B5系統（ミトリー・クレイ - オルネー・スー・ボワ - パリ北駅）、B2系統（ブール・ラ・レーヌ - ロバンソン）、B4系統（ブール・ラ・レーヌ - サン＝レミ＝レ＝シュヴルーズ）など、複数の系統が運行されており、運行パターンも時間帯や曜日によって変化します。パリ北駅とシャトレ・レ・アル駅の間ではRER D線と線路を共用しており、ラッシュアワーには非常に高い列車密度となります。

車両と今後の計画

現在運行されている車両は、1979年就役のMI79系（RATP）およびZ8100系（SNCF）です。RATP区間は直流1500V、SNCF区間は交流25000Vと異なる電化方式であるため、交直両用車両となっています。1998年には改良型のMI84系が導入されましたが、2024年以降は新型車両MI20系への置き換えが計画されています。

まとめ

RER B線は、パリの交通インフラにおいて重要な役割を担う路線であり、空港アクセス、市内交通、近郊交通を繋ぐ重要な役割を担っています。しかし、犯罪問題への対策や、老朽化車両の更新など、課題も残されています。今後、新型車両の導入や運行システムの改善によって、より安全で快適な利用環境が実現することが期待されます。

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