パリ・イリュストレ

『パリ・イリュストレ』（Paris illustré）は、1883年にフランスで創刊されたイラスト入り雑誌です。当初は月刊誌として発行され、1フランで販売されていました。1886年末からは週刊誌となり、1920年まで刊行が続けられました。

歴史

『パリ・イリュストレ』の創刊以前にも、1870年3月から6月にかけて、A. L. G. DelahayeとCh. P. Duplessisによって同名の雑誌が発行されていました。

1883年5月、ルネ・バシェによって新たに創刊された『パリ・イリュストレ』は、当初月刊で発行され、最初の特集はパリの芸術家たちのサロンに関するものでした。各号はテーマ別に構成され、カラーイラスト付きの解説書が付属していました。

イラストの製版には、版画家のシャルル・ジローが開発したタイポグラヴレという技術が初めて用いられました。印刷はパリのフルール通り9番にあったシャルル・ラウレの工房で行われ、25,000部が発行されました。創刊当初は多くのイラストレーターが描画を担当していましたが、1890年代からは写真の複製が用いられるようになりました。

1886年末に『パリ・イリュストレ』はグーピル商会に売却され、週刊誌となりました。グーピル商会は、本誌の補巻として、1898年6月からスポーツ月刊誌『レ・スポー・モデルヌ』（Les Sports modernes）を発行しています。

『パリ・イリュストレ』は、1920年6月に最終号が発行されたようです。

日本文化の紹介

『パリ・イリュストレ』は、1886年5月号（第45・46合併号）で日本文化を特集しました。この号の表紙には、渓斎英泉の浮世絵「雲龍打掛の花魁」が使用され、フィンセント・ファン・ゴッホがこの絵をモチーフに「ジャポネズリー 花魁」を描いたことで知られています。

この号では、美術商の林忠正が記事のテキストを担当しました。これは、日本人が西洋人に向けて自国の文化を紹介する記事を書いた最初の事例となりました。

関連紙誌
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