パリ万国博覧会 (1867年)

1867年パリ万国博覧会

1867年4月1日から10月31日まで開催された1867年のパリ万国博覧会は、42か国が参加し、約1500万人が訪れた国際的な展示イベントです。この博覧会は、日本の初参加として特に注目されており、様々な作品が展示されました。特に、水族館や電気に関連した展示は後にジュール・ヴェルヌの『海底二万里』に影響を与えることになりました。

会場の概要

博覧会は、1864年にナポレオン3世の命により計画され、パリ市内119エーカーとビヤンクールの52エーカーが用意されました。このエリアは後にシャン・ド・マルス公園となり、次回以降の万国博覧会でも使用されることになります。メインパビリオンは、490メートルの長さを誇る長方形の建物で、中央に大きなドームがあり、美しい庭園が付随していました。

日本の参加

日本は江戸幕府、薩摩藩、佐賀藩が独自に参加し、展示や使節団を派遣しました。幕府は一元的な出品を試みましたが、薩摩藩は自らの展示館を設け、独自の勲章まで作成しました。このため、幕末の政争の影響が色濃く出た博覧会となりました。

幕府の出品

江戸幕府は、油彩画や浮世絵、精巧な細工物など多彩な展示物を用意しました。特に、商人が設けた茶屋でのパフォーマンスが訪問者の注目を集め、公式な展示を上回る人気を博しました。幕府はさらに、フランスでの勲章外交を計画し独自の勲章を製作する準備を進めたが、間もなく幕府は倒れ、この試みは幻となりました。

薩摩藩の独自展開

薩摩藩はフランスでの留学経験を生かし、独立した展示館を設けました。琉球産物や薩摩焼、漆器などが大々的に出品され、特に薩摩焼酎が注目されました。また、初の勲章「薩摩琉球国勲章」を創設し、ナポレオン3世への授与なども行いました。これにより、薩摩藩は幕府とは異なる独自の存在感を示しました。

佐賀藩の目的

佐賀藩は、西洋文明の吸収と自藩の特産品を広めるために参加しました。陶磁器や和紙など、数多くの特産品が展示され、特に伊万里焼や唐津焼が評価されました。さらに、佐賀藩から派遣された使節団は、万博を通じて多くの経験を得て、日本赤十字社の創設にも貢献しました。

結果と影響

1867年のパリ万国博覧会は、日本にとって国際的な舞台への第一歩とされ、その後の国際的な交流や近代化に向けた重要な一歩となったと言えるでしょう。各藩の活動は幕末日本の複雑な政治状況を反映しており、博覧会から持ち帰った知識や技術は後の日本の発展にも寄与したのです。

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