パリ政治学院

パリ政治学院 (Sciences Po)

概要

パリ政治学院、略称IEP de Paris（フランス語：Institut d'études politiques de Paris）は、フランスの首都パリに位置する社会科学のエリート教育機関です。一般には「シアンス＝ポ」として知られ、特に政治学と社会科学における高等教育を提供しています。卒業生には、フランスを含む数多くの国の首脳や国際機関のトップ、企業の経営者などが名を連ねており、その影響力は世界中に広がっています。

パリ政治学院は、フランスのグランテタブリスマン（厳しい高等教育機関の一つ）として評価されており、卒業生の多くはフランス国立行政学院（ENA）に進学しています。学院は経済学、社会学、歴史学、法学、ジャーナリズムなど幅広い研究プログラムを提供し、近年では英語での授業も増やしているため、留学生も多く受け入れています。実際、約150の国から留学生が集まり、学生総数の49%がフランス以外の出身者です。

学院の歴史

パリ政治学院は1872年に自由政治科学学院として設立されました。この設立は、普仏戦争後のフランス帝国における政治制度の刷新を目的としたものでした。1945年にも重要な再編を経て、国立政治学財団としての位置づけを強めていきます。このような歴史を持つ学院は、政界や国際機関に多くの著名な卒業生を輩出し続けてきました。

キャンパスと教育課程

学院のキャンパスは、主にパリのサンジェルマン大通り沿いにあり、近代的な学びの場を提供しています。また、一部の学生はナンシーやディジョンなどの衛星キャンパスにも所属しています。教育課程は3年間の学士課程、2年間の修士課程、さらに博士課程として構成されており、学生は5年間の一貫教育を受けることが求められます。特に3年目には必ず留学を経験することになっており、国際的な視野を持つ人材を育成しています。

大学院と二重学位制度

パリ政治学院には、公共政策、国際政策、法学、都市政策、経営学、メディア・ジャーナリズム、総合研究の7つの大学院があります。これらの大学院はそれぞれ独自の修士プログラムを提供し、フランス語および英語の両方での授業が行われています。

特に注目すべきは、世界中の大学と連携した二重学位制度です。この制度により、学生はコロンビア大学やロンドン・スクール・オブ・エコノミクス（LSE）などでの学びを通じて、より広い経験を得ることが可能です。

卒業生のネットワーク

パリ政治学院の卒業生には、政界、国際機関、経済界など多岐にわたる分野で活躍する人物が多くいます。フランソワ・ミッテラン、ジャック・シラク、エマニュエル・マクロンなど多くのフランス大統領を輩出したほか、海外でもカナダのピエール・トルドーや、カメルーンのポール・ビヤ大統領などの要人が名を連ねます。また、国際機関では、元国際連合事務総長のブトロス・ブトロス＝ガーリや、現世界貿易機関事務総長のパスカル・ラミーなども卒業生です。

このように、パリ政治学院は歴史と伝統を持つ教育機関であり、国際的なリーダーを育成するところとして、今後もさらなる発展が期待されています。

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