パリ管弦楽団

パリ管弦楽団

パリ管弦楽団（Orchestre de Paris）は、1967年にフランスのパリで設立されたオーケストラです。フランス文化省の要請により、パリ音楽院管弦楽団を母体として、シャルル・ミュンシュを初代音楽監督に迎え、新たなオーケストラとしてスタートしました。

概要

創設時、楽団員の約7割が入れ替わり、フランス全土から選抜された優秀な奏者が集められました。これは、単なる名称変更ではなく、実質的に新しいオーケストラの誕生であったことを意味します。しかし、ミュンシュは1968年に急逝し、その後、ヘルベルト・フォン・カラヤンが音楽顧問として、ゲオルク・ショルティが首席指揮者として楽団を率いました。その後も、ダニエル・バレンボイムが15年間に渡り首席指揮者を務めるなど、著名な指揮者が歴任しています。

歴代の音楽監督には、クリストフ・フォン・ドホナーニ、クリストフ・エッシェンバッハ、パーヴォ・ヤルヴィ、ダニエル・ハーディングなどが名を連ねています。2021年からはクラウス・マケラが音楽監督を務めています。

歴代の指揮者には、ドイツ系の音楽家が多く見られますが、楽団のサウンドは一貫してフランス的な明晰さを保ちつつ、国際的なオーケストラとしての幅広い表現力も兼ね備えています。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と並ぶ世界的なオーケストラを目指し、創設当初から高い合奏力を誇っていました。

長らくサル・プレイエルを拠点としていましたが、1998年に閉鎖されたため、一時的にテアトル・モガドールを拠点としました。その後、サル・プレイエルでの演奏を再開しましたが、2015年からは、フィルハーモニー・ド・パリを本拠地としています。

レコーディング

パリ管弦楽団は、数多くの録音を残しています。ミュンシュ時代のブラームスやラヴェルの作品、ショルティ時代のリストの作品、バレンボイム時代の近代フランス音楽集、ビシュコフ時代のラフマニノフの作品などが代表的な録音として知られています。

歴代音楽監督等

シャルル・ミュンシュ（1967年 - 1968年）
ヘルベルト・フォン・カラヤン（1969年 - 1971年）音楽顧問
ゲオルク・ショルティ（1972年 - 1975年）
ダニエル・バレンボイム（1975年 - 1989年）
セミヨン・ビシュコフ（1989年 - 1998年）
クリストフ・フォン・ドホナーニ（1998年 - 2000年）芸術顧問
クリストフ・エッシェンバッハ（2000年 - 2008年）
パーヴォ・ヤルヴィ（2010年 - 2016年）
ダニエル・ハーディング（2016年 - 2019年）
クラウス・マケラ（2021年 - ）


パリ管弦楽団は、フランス音楽の伝統を継承しつつ、常に新しい音楽表現を追求し、国際的な舞台で活躍を続けるオーケストラです。

もう一度検索