パルチザン (軍事)

パルチザン

パルチザン（英: partisan）は、他国の軍隊や反乱軍の占領に抵抗するために結成された非正規軍の一員を指す言葉です。この用語は、特に第二次世界大戦中のナチス・ドイツやファシズム時代のイタリアにおける各国の抵抗運動において重要な役割を果たしました。また、英語ではレジスタンス運動の一部として用いられることもあります。パルチザンという言葉は、イタリア語の「partigiano」に由来し、フランス語でも同様の意味があります。これにより、占領軍への抵抗活動や革命戦争に関与する遊撃隊とそのメンバーを指すことになります。

歴史的背景

「partisan」の語源はラテン語にさかのぼり、17世紀には戦争を支持する特定の政党の指導者に対して使われていました。初期のパルチザン闘争では、現地住民や正規軍が組織した部隊が活動し、敵の通信を妨害したり、敵の後方基地や村を占拠することが主な目的でした。さらに、輸送隊を奇襲し、敵物資を略奪したりすることで、敵の行動を分散させることが狙いとされました。

18世紀には、パルチザン戦術についての書物が出版され、1740年代においては、ハンガリーの将校イェネイ・ミハーイ・ラヨシュの著書『Le Partisan』がその代表的なものです。また、ヨハン・フォン・エーヴァルトは1789年に書いた『Abhandlung über den kleinen Krieg』で、パルチザン戦術を詳細に解説しました。これにより、アメリカ南北戦争における「パルチザン・レンジャーズ」の活動へとつながります。

パルチザンの活動

19世紀半ばのパルチザンは、軽騎兵や半組織的なゲリラ部隊とは異なる特徴を持っており、具体的にはロシアのパルチザンがフランスとの戦争で重要な役割を果たしました。19世紀の活動も多岐にわたり、第一次世界大戦中にもロシア帝国はスタニスラフ・ブラク＝バラホーヴィッチらのパルチザンを利用しました。

代表的なパルチザン

ウクライナ蜂起軍

ウクライナ蜂起軍（Ukrayins’ka Povstans’ka Armiya、UPA）はウクライナのナショナリズムに基づく反体制武装組織で、第二次世界大戦中はナチス・ドイツやソ連に対してゲリラ戦を展開しました。1942年10月14日に正式に結成され、占領軍を排除し、独立した国家を樹立することを目指しました。彼らの活動は目立ち、特定地域での民族衝突を引き起こしたこともあります。

赤軍パルチザン

ソビエト連邦のパルチザンもまた、第二次世界大戦中にドイツ軍に対抗し、地域への軍事権を強化させるために重要な存在となりました。しかし、彼らの活動には住民に対する無差別な攻撃もあり、これが議論を呼ぶ要因ともなりました。

ユーゴスラビア・パルチザン

ユーゴスラビアでは、ユーゴスラビア共産党が主導するパルチザン運動が盛り上がり、ヨシップ・ブロズ・チトーが指導者となりました。ユーゴスラビアのパルチザンは、連合国の支援を受けて戦った最後の抵抗勢力の一つであり、1945年には大規模な軍を形成しました。最終的に、日本やアメリカと並ぶ強力なレジスタンスとして歴史に名を刻みました。

結論

パルチザンは歴史において、占領に対抗するために結集した非正規軍として多くの国で存在していました。彼らの戦術や戦いは各国の歴史に大きな影響を与え、現代の非対称戦争の基礎を築いたとも言えます。

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