パルマヒム空軍基地

パルマヒム空軍基地

パルマヒム空軍基地は、イスラエル中部の地中海沿岸に位置する、多機能な軍事施設です。テルアビブの南、リション・レジオンやヤブネ近郊にあり、その名は近くにあるキブツ・パルマヒムに由来します。このキブツは、1949年にユダヤ人武装組織ハガナーの精鋭部隊パルマッハの元隊員によって建設されました。基地自体は1960年代に設立され、現在はイスラエル航空宇宙軍（イスラエル空軍）とイスラエル宇宙局によって共同で使用されています。

機能と役割

基地には二本の滑走路（2,403mと803m）があり、様々な航空機や任務に対応しています。その主要な役割は多岐にわたり、ヘリコプター部隊や無人航空機（UAV）部隊が活動しています。また、パルマヒムはイスラエルの弾道ミサイル迎撃システム「アロー」を運用する部隊が配置され、ミサイル試験も行われる重要な防空拠点としての顔も持ちます。さらに、パルマヒムはイスラエル独自の人工衛星打ち上げロケット「シャヴィト」の発射基地としても機能しています。1988年に最初の偵察衛星「オフェク1」が打ち上げられて以来、「オフェク」シリーズなどがここから宇宙へ打ち上げられています。特筆すべきは、通常とは異なり、ロケットが西向きに発射される点です。これは、打ち上げ時の残骸が周辺国や自国領土に落下するのを防ぐための安全策です。

歴史と特別な役割

パルマヒム空軍基地は、イスラエル空軍の特殊コマンド部隊「シャルダグ」が1981年の設立以来、本拠地としている場所でもあります。また、将来的にはテルアビブにあったスデ・ドブ空港の閉鎖に伴い、一部の空軍部隊がパルマヒム基地へ移転することが2007年に決定されています。

所属飛行隊

パルマヒム空軍基地には、イスラエル空軍第30航空団に所属する複数の飛行隊が展開しています。これには、UH-60ヘリコプターを運用する第123飛行隊（デザートバード・スコードロン）と第124飛行隊（ローリング・ソード・スコードロン）が含まれます。さらに、軍用ミサイルの試験を行う第151飛行隊（ヤナット・スコードロン）や、エルビット・ヘルメス450などの無人航空機を運用する第161飛行隊（ブラック・スネーク・スコードロン）、第166飛行隊（スパーク・スコードロン）、そしてIAIサーチャーやヘロンを運用する第200飛行隊（UAVスコードロン）が活動しています。かつてはMD 500やAH-1F攻撃ヘリコプターを運用する部隊も所属していました。

結論

パルマヒム空軍基地は、航空作戦、ミサイル防衛、宇宙開発、特殊作戦といったイスラエルの安全保障の根幹を担う、極めて戦略的な役割を果たす拠点です。

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