パルメニオン

パルメニオンの生涯

パルメニオン（紀元前400年頃 - 紀元前330年）は、古代マケドニア王国で名高い武将であり、フィリッポス2世およびアレクサンドロス3世（大王）に仕えた。彼は父フィロタスのもとで育ち、アサンドロスとアガトンという二人の弟を持ち、また多くの子供も残しました。子供には父と同名のフィロタス、ヒュパスピスタイを指揮したニカノル、アレクサンドロスの侍従となったヘクトルなどが含まれ、さらにコイノスとアッタロスに嫁いだ二人の娘もいました。

ピリッポス2世の時代

パルメニオンは、フィリッポス2世にとって信頼の厚い将軍として知られ、マケドニア軍の強化に努めました。ピリッポス2世は、サリッサで武装した軽装の徴募兵ファランクスと、テッサリアの騎兵を組み合わせた戦術を採用しました。敵の歩兵と騎兵の攻勢を支える一方で、近衛歩兵や精鋭騎兵が包囲攻撃を行うという戦略でした。この戦術を実現するために、パルメニオンは守備を担う役割を果たしました。

紀元前338年のカイロネイアの戦いでは、フィリッポス2世がアテナイ・テバイ連合軍を打ち破り、ギリシャにおける覇権を確立する手助けをしました。この戦闘で、パルメニオンは当時の王子アレクサンドロスと共に左翼の騎兵部隊を指揮し、ボイオティアの軍を壊滅させました。

その後、フィリッポス2世はペルシア遠征を計画し、パルメニオンをアッタロスやカラスと共に小アジアへの先遣隊として派遣しました。しかし、フィリッポス2世が暗殺されたことにより、遠征はアレクサンドロスに引き継がれることとなりました。

アレクサンドロス3世の時代

アレクサンドロス3世が即位すると、パルメニオンはマケドニア軍の副総司令官に就任し、鉄床戦術の実行に携わりました。グラニコス川の戦い、イッソスの戦い、そしてガウガメラの戦いでは、左翼部隊の指揮を取り、敵の攻勢を耐え忍びながら、アレクサンドロス率いる右翼の強攻を支えました。これにより、アレクサンドロスの数々の勝利に寄与したとされています。

没落の運命

しかし、パルメニオンの運命は悲劇的なものとなります。紀元前330年に息子のニカノルが病死すると、アレクサンドロスは息子フィロタスに対する不当な冤罪を持ち出し、暗殺の陰謀に関連づけて処刑しました。この連鎖的な悲劇の中で、パルメニオンの友人三人も一緒に抹消されました。彼は大王の信任を受けた軍を指揮して遠征中であったため、パルメニオン自身も引きずり込まれる形で最期を迎え、彼の歴史的な役割と名声は儚いものとなりました。

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