パレオロクソドン

パレオロクソドンについて

パレオロクソドン（Palaeoloxodon）は、かつて存在したゾウ科の属であり、鮮新世にアフリカで誕生し、続く更新世にはユーラシア大陸へと広がりました。この属には、特に日本で知られるナウマンゾウをはじめとした多くの種が含まれています。また、パレオロクソドンは非常に大きな体を持つ種を含んでおり、その中には肩高が4メートルを超えるヨーロッパ産のPalaeoloxodon antiquusや、インドから見つかるPalaeoloxodon namadicus（史上最大の陸生哺乳類と広くされている種）も含まれています。

さらに、パレオロクソドン属は地中海の島々では、進化の過程で特異な島嶼化を遂げた多数の種も存在的で、最小のゾウの代表として体高がわずか1メートルにも満たない種も知られています。パレオロクソドン属の命名は、松本彦七郎によるもので、以来この属の分類に関しては様々な議論が交わされてきました。特に、アフリカゾウ属（Loxodonta）やアジアゾウ属（Elephas）に含まれるべきだという意見もありましたが、現在では一般的に独立した属として扱われています。ただし、Paleoloxodonを認めない研究者の中には、依然としてアジアゾウ属に分類する人もいます。

パレオロクソドンの種の一覧

ここでは、パレオロクソドン属に属する代表的な種をいくつか紹介します。

• - Palaeoloxodon recki ー 東アフリカに分布し、400万年前から60万年前まで生存していました。
• - Palaeoloxodon antiquus ー 主にヨーロッパ、中東、西アジアに分布していた大きな種です。
• - Palaeoloxodon huaihoensis ー 中国から発見されており、おそらくP. naumanniと同一視されることが多いです。
• - Palaeoloxodon namadicus ー インド亜大陸に生息し、おそらく他のアジア地域にも存在したとも言われる、当属で最大の種です。
• - Palaeoloxodon naumanni ー 日本を含む地域で見られ、ナルバダゾウの亜種である可能性も指摘されています。
• - Palaeoloxodon turkmenicus ー 中央アジアに存在し、詳細は不明ですが、アンティクースゾウの亜種とされることもあります。

地中海地域の島嶼化した種

パレオロクソドン属には、地中海において独特の進化を遂げた種も多くいます。これらはP. antiquusの子孫である可能性があります。以下は、その具体例です。

• - Palaeoloxodon chaniensis ー クレタ島で発見された種。
• - Palaeoloxodon creutzburgi ー 同じくクレタ島に生息していました。
• - Palaeoloxodon xylophagous ー キプロスにて見つかり、その生態にも興味が寄せられています。
• - Palaeoloxodon cypriotes ー 広くキプロスでの生息が確認されています。
• - Palaeoloxodon lomolinoi ー ナクソス島で確認されています。
• - Palaeoloxodon tiliensis ー ティロス島に存在していた種です。
• - Palaeoloxodon melitensis ー マルタ島で見られた種。
• - Palaeoloxodon mnaidriensis ー シチリア島及びマルタ島での生息が確認されています。
• - Palaeoloxodon falconeri ー シチリア島及びマルタ島での発見があります。

これらの多様なパレオロクソドンの種は、進化の歴史や生態系における特異な役割を物語っており、古代の生態を理解するために重要な鍵を握っています。

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