更新世

更新世 (Pleistocene) の概要

更新世とは、約258万年前から約1万1700年前までの約257万年にわたる地質時代を指します。この期間は第四紀の第一世に該当し、主に氷河時代として知られています。更新世はチバニアン、カラブリアン、ジェラシアンの4つの期に分かれており、過去には洪積世と呼ばれることもありました。また、鮮新世と併せて鮮新・更新世とされることもあります。

更新世の分類

更新世は大きく分けて前期、中期、後期に分類され、前期はさらにジェラシアンとカラブリアンに細分化されます。具体的には、以下のような時間軸があります：

• - 後期更新世 (0.126 ～ 0.0117 Mya)：現在、タランティアンという名称が検討されています。
• - チバニアン (0.781 ～ 0.126 Mya)：2017年に、日本の研究チームがこの名称を提案し、2020年に正式に認定されました。
• - カラブリアン (1.806 ～ 0.781 Mya)
• - ジェラシアン (2.588 ～ 1.806 Mya)

大陸と海岸線の変動

更新世においては、氷期と間氷期が繰り返され、その影響で海水準が大きく変動しました。特に後期更新世では、海水準が現在から百数十メートルも上下しました。このことにより、多くの現在の浅瀬が乾燥し陸地化した時期もありました。大陸の形状自体は基本的に現在と同じですが、氷床の動きによって海岸線が移動しました。

気候変動

更新世は、氷期と間氷期の繰り返しを特徴とし、総計で15回もの氷期が発生しました。これらの氷期は、地球の自転軌道の変化による太陽放射量の変動が主な原因とされています。この気候の変動にはミランコヴィッチ周期が関与しています。

• - 200万年前にはヒーバー氷期があり、その後もさまざまな氷期が続きました。
• - 最終的には、約1万1700年前のヴュルム氷期（最終氷期）まで続き、北半球には巨大な氷床が存在しました。南半球では、氷期の影響は比較的少なかったとされています。

生物の進化

この時代においては、ヒト属も進化を遂げました。最初に出現したのは原人などであり、後期には現生人類（ホモ・サピエンス）が現れました。更新世の間に多くのヒト亜族が絶滅しましたが、その原因として急激な寒冷化が挙げられます。遺伝子分析によって93万年前に人類の個体数が大きく減少したことが分かっており、この時期はボトルネックを経験しています。

多様な人類の中では、北京原人、ジャワ原人、ネアンデルタール人、そしてホモ・サピエンス・サピエンスが知られています。最終的には現生人類だけが生き残り、他の種は絶滅していきました。

絶滅と再生

更新世の終焉に近づくにつれて、大型哺乳類の絶滅が目立ち始めました。特に北米ではこの現象が顕著化しました。この傾向は、完新世にかけて続いたと考えられています。代表的な絶滅した種としては、マンモスが挙げられます。

まとめ

更新世は、地球の気候、地形、生物多様性において非常に重要な時期であり、現在の生態系や人類の起源を理解するための鍵を握っています。これらの過去の環境変化は、現代に生きる私たちが未来を見据える上での参考になるでしょう。

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