パレット (輸送)

パレットとは

パレットとは、物流現場で荷物を効率的に運搬・保管するために使用される荷役台のことです。工場、倉庫、トラック輸送、海上輸送など、様々な場所で利用され、作業効率の向上、作業者の負担軽減に貢献しています。ここでは、パレットの種類、規格、材質、そして近年注目されている再利用について詳しく解説します。

パレットの種類

パレットには様々な種類があり、用途や荷物の特性に応じて使い分けられます。

平パレット: 最も一般的なタイプで、フォークリフトやハンドリフトで持ち上げて使用します。
ボックスパレット: 側面に壁があり、バラバラになりやすい荷物をまとめて運ぶのに適しています。
シートパレット: 薄いシート状のパレットで、軽量で場所を取らないため、保管スペースを有効活用できます。
ロールボックスパレット: カゴ台車とも呼ばれ、店舗や倉庫での商品の移動に便利です。
ポストパレット: 金属製の支柱を持つパレットで、重量物や長尺物の保管に適しています。
サイロパレット: 粉粒状の物質を貯蔵できるパレットです。
タンクパレット: 液状の物質を貯蔵できるパレットです。

パレットの規格

パレットのサイズは、国際規格（ISO 6780）や地域規格によって定められています。主なサイズは以下の通りです。

国際規格: 1200mm × 1000mm、1200mm × 800mm
北米: 48インチ × 40インチ（約1219mm × 1016mm）
EU: 1200mm × 800mm (ユーロパレット)
日本: 1100mm × 1100mm（T11型）

日本ではT11型パレットが広く利用されていますが、業界によっては異なるサイズのパレットが使用されており、完全な標準化には至っていません。しかし、近年、EC事業の拡大や物流DXの推進、労働力不足などの課題から、パレットの標準化に向けた動きが活発化しています。

パレットの材質

パレットの材質は、木材、合成樹脂、金属、紙などがあります。

木製パレット: 強度があり、修理が容易でコストも比較的低いですが、湿気に弱く、害虫が発生する可能性があります。また、廃棄時には産業廃棄物として扱われる場合があります。
合成樹脂製パレット: プラスチックパレットとも呼ばれ、強度、耐水性に優れ、衛生的ですが、破損した場合の再生が困難で、廃棄コストがかかる場合があります。
金属製パレット: 強度、耐荷重に優れますが、コストが高く、重量があるため、特殊な用途で使用されます。
紙製パレット: 軽くてリサイクルが容易ですが、強度が低く、主に使い捨て用途で使用されます。
発泡スチロール製パレット: 軽くて耐水性に優れています。

近年では、環境保護の観点から、リサイクル可能な素材や、環境負荷の少ない素材を使用したパレットの開発が進んでいます。

パレットの再利用

近年、廃棄されたパレットを家具や建築材料として再利用する動きが広がっています。パレットは一定のサイズで扱いやすく、DIYの材料として活用されています。例えば、ベッドの土台やソファ、テーブル、棚など、様々な家具がパレットを再利用して作られています。
また、難民住宅の建設にパレットが利用された事例もあります。パレットは安価で大量に調達できるため、緊急時の住居として有効活用できます。

まとめ

パレットは物流現場を支える重要なツールであり、効率化、省力化に貢献しています。種類、規格、材質、再利用など、パレットに関する知識を深めることで、より効果的な物流システムの構築に繋がるでしょう。

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