パワポケ甲子園

パワポケ甲子園

『パワポケ甲子園』は、2005年8月4日にコナミから発売されたニンテンドーDS用ゲームソフトです。本作は、高校野球、特に甲子園（全国高等学校野球選手権大会および選抜高等学校野球大会）をテーマにしており、ニンテンドーDS初の野球ゲームとして登場しました。

概要

本作は、「パワプロクンポケットシリーズ（パワポケシリーズ）」の外伝的作品として位置づけられていますが、従来のパワポケ作品とは大きく異なる特徴を持っています。それは、シナリオ重視ではなく、野球そのもの、試合に特化している点です。そのため、パワポケシリーズのメインモードである「サクセスモード」が本作には収録されていません。選手育成モードにはシナリオが存在しますが、従来のサクセスモードとは関連性がありません。

また、パワプロシリーズでおなじみの実況・ウグイスのアナウンスが、コナミの携帯ゲーム機版野球ゲームで初めて導入されました。実況はパワプロシリーズの実況でお馴染みの河路直樹（圭三）ではなく、堀江良信が担当しています。

ゲームシステムにおいては、投手に野手のサブポジションや特殊能力が付与される点が特徴的です。ただし、このシステムは本作のみに実装されており、他のパワポケ作品にパスワード登録しても反映されません。また、外野手のポジションが左翼手、中堅手、右翼手に分かれているのも、本作ならではの特徴です。

高校野球に特化しているため、プロ野球（日本野球機構）12球団は収録されていません。

モード

他のパワポケシリーズとは異なり、本作独自のゲームモードが搭載されています。従来の「サクセスモード」や「ミニゲーム」は含まれていません。

甲子園: 選手（チーム）育成モード。
野球: CPU対戦や練習を行うモード。通信対戦は非搭載。
データ: 作成した選手などの確認、パスワードによる選手登録、ワイヤレス通信による選手交換が可能。
トーナメント: 4チーム、8チーム、16チーム制のトーナメント戦。
アレンジ: オリジナルの選手編成が可能。
記念館: 甲子園モードの登場人物の能力を閲覧可能。

甲子園モードの詳細

「甲子園」モードでは、全国931校から1校を選択（またはオリジナルチームを作成）し、主人公＝キャプテンを操作して1年間で春と夏の甲子園優勝を目指します。登場する学校名は架空のものですが、実在する学校名をもじったものが多く存在します。

従来のサクセスモードとは異なり、部員全体を育成する必要があります。能力アップは練習や試合、イベントを通じて自動的に行われ、特殊能力の取得も試合やイベントの結果に左右されます。

シナリオは、従来のパワポケシリーズのダークな雰囲気とは異なり、パワプロシリーズのサクセスモードに近い正統派なストーリー展開となっています。また、本作はパワポケシリーズで初めて春の甲子園に出場できる作品です。

育成システムのうち、「チーム面全体を育成」、「能力アップは完全自動」、「特殊能力の取得は試合、イベント次第」といった要素は、後のパワプロシリーズの「栄冠ナイン」や「情熱」といった甲子園モードに近いシステムに採用されています。

クリア条件

チーム登録: 選抜高等学校野球大会または全国高等学校野球選手権大会に出場。
選手（キャプテン）登録: チーム登録条件に加え、甲子園敗退（または優勝）時に世間評価が60以上。

ただし、春の甲子園に出場していても、マジメが0になると強制退学（ゲームオーバー）となります。

登場人物

サクセスモードとは異なり、ライバルやマネージャーを除き、固定の登場人物は存在しません。

部員: 主人公（キャプテン）、メガネ君（相棒）、桃井祐介（マネージャー）、チームメイト（スカウトで選択可能）。
ライバル: 五十嵐光一（地区代表のエース）。
彼女候補: 新城美沙、水島優奈、上野あずみ、桂木奈緒、鮎沢桜（いずれも女マネージャー）。

他のパワポケシリーズとの関係

本作はパワポケシリーズの外伝作品として発表されましたが、サクセスモードが収録されていないため、後の作品の一部ではパワポケシリーズから除外されることもありました。

スタッフ

プロデューサー: 藤岡謙治
* (C)2005 KONAMI

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