パンチ (文房具)

穴あけパンチ：書類を整理するための必須文房具

穴あけパンチは、書類をファイルやバインダーに綴じる際に、紙に穴を開けるための文房具です。昔ながらの千枚通しと同じ用途を持ちますが、てこの原理を応用した構造により、より少ない力で正確に穴を開けることができます。また、複数の穴を等間隔にあけることができ、刃が露出していないため安全に使用できるという利点があります。ただし、穴の大きさを調整することはできません。

概要

穴あけパンチは、紙に小さな穴を開けるための道具で、手動式と電動式があります。手動式はてこの原理を利用しており、小さな力で効率的に穴あけが可能です。穴の形状は通常は円形ですが、クラフトパンチを使用することで星形や花形など、様々な形に加工することもできます。

歴史

日本においては、1904年（明治37年）にドイツのゾェネッケン社製の2穴パンチが輸入されたのが始まりです。その後、国内でも生産されるようになりました。

使用法

穴あけパンチは、紙を挟んでハンドルを押し下げることで穴を開けます。ハンドルはてこの原理を利用しており、少ない力で作業ができます。切り抜かれた紙片は、本体底部のケースに回収されるようになっています。多くの製品には、紙の中央に穴を開けるためのゲージが付いており、A4やB5など様々なサイズの紙に対応できます。小型の製品では、ゲージが省略されていることもありますが、紙の中心を示す目印が付いています。また、プライヤー型のように手で持って使うタイプの1穴パンチもあります。

穿孔能力

一度に穴を開けられる枚数は製品によって異なり、小型のものでは10枚程度、大型のものでは数百枚の紙に穴を開けることができます。穿孔能力の高い製品はハンドルが大きく、重くなっているのが特徴です。さらに強力な製品は電動式になります。

パンチの種類

穴あけパンチには様々な種類があり、用途に合わせて使い分けられます。

2穴パンチ

事務用品として最も一般的で、2つの穴を開けることができます。

6穴パンチ

システム手帳に使われる、6つの穴を同時に開けるタイプです。

4穴パンチ

4穴バインダーに使用しますが、2穴の拡張規格であり、2穴バインダーにも綴じることができます。

3穴パンチ

北米で広く使用されているタイプで、2穴と同様に一般的なファイリングに使われます。

1穴パンチ

1つの穴を開けるタイプで、据え置き型以外にプライヤー型があります。ハトメを取り付けるための機能が一体化しているものもあります。

多穴パンチ

22穴、26穴、30穴など、多くの穴を開けることができるパンチです。コンピュータバインダーやルーズリーフなどに使用されます。

穴の規格

穴あけパンチで開ける穴の位置やサイズは、国際規格や工業規格によって定められており、製品が異なっても基本的に共通です。

国際規格 (ISO 838)

ファイル用の穴あけで最も一般的な規格で、2つの穴を開ける位置、直径、穴同士の距離が定められています。穴の直径は5.5mmから6.5mm、穴同士の距離は79.5mmから80.5mmの範囲です。

4穴拡張規格

2穴の上下に8cm間隔で穴を追加した規格で、4つの穴で綴じることで安定性が向上します。

北米の規格

北米では、3穴方式が広く使用されており、穴の位置や間隔が定められています。また、2穴の規格である「filebinder」方式も存在します。

特殊なパンチ

クラフトパンチ

星形や花形など、特殊な形の穴を開けることができます。

エンボスパンチ

紙を切り抜かずに、模様の凹凸をつけます。

コーナーパンチ

紙の角を丸くしたり、装飾的に切り抜いたりします。

穴あけパンチは、書類を整理し、管理するための重要なツールです。適切なパンチを選ぶことで、効率的に書類をファイリングすることができます。

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