パンテッレリーア島

パンテッレリーア島は、シチリア島とアフリカ大陸の間に位置するイタリア領の火山島です。シチリア海峡の中央部に浮かび、東西地中海を分ける位置にあります。面積は約83平方キロメートルで、シチリア州の離島の中では最大です。約7800人が暮らす有人島であり、行政的にはトラーパニ県に属しています。

名称

日本語では「パンテッレリア島」とも表記されます。

地理

シチリア島の南西約100キロメートル、アフリカ大陸のチュニジア領ボン岬半島からは東へ約70キロメートルの距離にあります。地中海の中央に位置することから、古くからアフリカとシチリアの中間寄港地、そして中東との交易拠点として重要な役割を果たしてきました。

島の緯度はチュニスとほぼ同じです。イタリア領の島の中では、さらに南にペラージェ諸島がありますが、パンテッレリーア島の方がアフリカ大陸に近い場所に位置しています。

地勢

島は火山活動によって形成されており、現在も熱水や噴煙を上げる火山活動が見られます。最後に噴火したのは1891年で、北西斜面の海底でした。島の最高地点はモンターニャ・グランデで、標高836メートルです。

パンテッレリーア島は、火山活動によって生まれた自然の要素、例えば溶岩大地、入り江、離れ岩などに、人々の生活が加わることで独特の景観が形成されています。

植生

降水量が少なく、水資源が限られているため、植物の生育には厳しい環境です。しかし、ケッパーの一種であるカッペロ・パンテッレリーア（パンテッレリーア・ケッパー）が自生しており、世界的に高く評価される特産品となっています。また、アラブ人によって持ち込まれた柑橘類も栽培されています。

この島の火山性の土壌は、アルコール度数の高いワインを生産するブドウの栽培に非常に適しています。特にジビッボというモスカートの一種を天日干しで塩分や湿気から守る製法で作られる、モスカート・ディ・パンテッレリーア（DOC）やパッシート（パッシート・ディ・パンテッレリア）といったワインは、島を代表する特産品となっています。

交通

島にはパンテッレーリア空港があり、空路でのアクセスが可能です。

関連項目

パンテッレリーア - 行政的に所属するコムーネ
コークスクリュー作戦 - 第二次世界大戦時の連合国軍によるパンテッレリーア島攻略作戦
パンテッレリーア空港
モスカート・ディ・パンテッレリーア - 島特産のDOCワイン

もう一度検索