チュニス

チュニスとは

チュニス（Tunis、アラビア文字: تونس）は、チュニジア共和国の首都であり、同国の商業や工業の中心地でもあります。アフリカにおいて、カイロ、カサブランカに次ぐ重要な都市とされ、近年では経営コンサルティング会社A.T.カーニーから世界第102位の都市と評価されています。

概要

人口は約83万人（2004年）で、市近郊地域を含めると235万人に達します。この都市はチュニス湖と周辺の塩湖との間の地峡に位置し、地中海のチュニス湾に面した外港「ラ・グレット」と運河で結ばれています。チュニスはオリーブ油やリン鉱石などの物資を輸出しており、チュニス大学も存在し、教育の中心でもあります。

歴史

古代地中海世界

チュニスの起源は古代フェニキア人によって築かれた町にあり、当初は「チェニェス」と呼ばれていました。この町はカルタゴの衛星都市として栄えていましたが、紀元前146年にローマと戦争が起こり、完全に壊滅しました。その後、ローマの支配下で再建され、376年には東ローマ帝国の一部となりました。

イスラーム化

7世紀に入って、ウマイヤ朝がイフリーキヤに侵攻し、670年にカイラワーンが建設されました。このとき、激しい抵抗に直面しますが、最終的にはカルタゴを占領し、701年にはベルベル人のカヘナも制圧します。この頃からチュニスはアラブ文化に根ざした都市へと発展していきました。

ハフス朝とオスマン帝国

1228年には、ムワッヒド朝からの独立を果たしたハフス朝がチュニスを首都とし、数多くの宗教施設や学問所を設立しました。しかし、16世紀にはオスマン帝国に征服され、数世代にわたる地域の支配が続きました。この時期、国際的な都市としての性格がますます強まり、様々な文化が交差する場となりました。

フランスの保護領下

19世紀には、チュニジアがフランスに保護され、1881年以降、フランスの貨幣制度が導入されるなど、権力がフランスに移っていきました。20世紀に入り、抵抗運動が高まり、1943年に連合国によって解放されます。1956年にはついにフランスから独立を果たしました。

観光名所

チュニスには歴史的な名所が多く存在します。近隣にはカルタゴ遺跡があります。また、ユネスコの世界遺産に登録されているメディナ（旧市街）もあります。街にはアグラブ朝やハフス朝時代に創られた美しい建築が点在し、バルド国立博物館も評判の観光地となっています。

交通と文化

市内にはチュニス・カルタゴ国際空港があり、多くの観光客を迎え入れています。市内の交通手段としては、バスや路面電車が運行されており、観光名所へのアクセスが容易です。また、1966年からはカルタゴ映画祭が開かれ、地域文化の促進にも寄与しています。

出身有名人

チュニスは多くの著名人を輩出しており、例えば歴史家のイブン・ハルドゥーンや、映画監督のアブデラティフ・ケシシュなどが知られています。国際的な都市であるため、様々な国の文化が融合しており、現在もその姿は進化し続けています。

チュニスはその歴史と文化、そして現代的な都市機能が共存している、魅力的な都市です。

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