パンロール

パンロール：北海道発祥の揚げパン

北海道小樽市に本社を置く株式会社かま栄が製造・販売する「パンロール」は、すり身をパン生地で巻いて揚げた、ユニークな揚げパンです。昭和37年、同社社長の佐藤公亮氏が「かまぼこを気軽に食べられるスナックにできないか」という発想から誕生しました。豚挽肉と玉ねぎを混ぜ合わせたすり身が、サクッとしたパン生地に包まれた、洋風オードブルとして親しまれています。

ふわふわ、サクッ！その魅力

パンロールは、その独特の食感と味わいで人気を博しています。外はカリッと香ばしく、中はふわふわとしたパン生地と、ジューシーなすり身の組み合わせが絶妙です。価格は1本300円以内と手軽で、おやつやおつまみとして最適。北海道のデパート地下街などで販売されており、地元民に愛される定番品です。近年では、かま栄以外の業者も製造・販売するようになり、全国各地の物産展でも見かける機会が増えています。

大泉洋さんの絶賛と人気急上昇

パンロールが広く知られるようになったきっかけは、北海道出身の俳優・大泉洋さんが、自身がレギュラー出演するテレビ番組『おにぎりあたためますか』（HTB）で紹介したことでした。新千歳空港で購入したパンロールを番組で絶賛した大泉さん。さらに、フジテレビ系『とんねるずのみなさんのおかげでした』の名物コーナー「新・食わず嫌い王決定戦」にゲスト出演した際にも持参し、芸能界にもその美味しさを広めました。これにより、パンロールへの問い合わせが殺到するほどの人気商品となりました。ただし、大泉さん自身は「食べ始めは美味しいが、後から胃に溜まる」というコメントを残しています。

購入方法と注意点

現在、パンロールはかま栄の直営店でのみ購入可能です。地方発送は行われていません。これは、チルド発送で揚げずに送る方法も考えられますが、パンロールの売りである「手軽さ」を損なうこと、また消費者が自宅で揚げる手間を考慮した結果です。揚げたてのパンロールを味わいたい場合は、かま栄の店舗で直接購入する必要があります。かつては、小樽市内の喫茶店「ラ・カンパネラ」や食堂「味工房かま栄」でも提供されていましたが、2015年3月1日に閉店しています。新千歳空港内店舗でも購入できますので、北海道を訪れた際はぜひお立ち寄りください。

意外な派生商品：パンロールパン

パンロールは、その独特の味わいを活かした派生商品も存在します。その一つが「パンロールパン」です。小型のコッペパンにパンロールを挟んだもので、スパゲッティーロールや焼きそばパンのような惣菜パンとして楽しめます。パン生地を使ったパンロールを、今度はパンに挟むという、ユニークな発想が光る商品です。

全国区への進出

パンロールは、北海道ローカルにとどまらず、全国区の知名度を獲得しつつあります。日本テレビ系列「秘密のケンミンSHOW」でも紹介され、スタジオで試食された際には絶賛されました。北海道の隠れた名物から、全国的に愛される商品へと進化を遂げていると言えるでしょう。今後も、その独特の味わいと手軽さで、多くの人々を魅了し続けることでしょう。

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