パーシー・マッコイド

パーシー・マッコイド: 19世紀イギリスの舞台美術家と家具の権威

パーシー・マッコイド（1852年 - 1925年）は、イングランドの舞台美術家であり、イングランド家具の収集家、鑑定家として知られています。彼は特に『Country Life』誌に多く寄稿し、イングランド家具に関する著作を4冊発表しました。これらの作品は、イングランド家具の歴史に関する初の本格的な通史として高く評価されています。

彼の著作について

マッコイドの代表的な著作には、『The Age of Oak（オークの時代）』、『The Age of Walnut（ウォールナットの時代）』、『The Age of Mahogany（マホガニーの時代）』、そして『The Age of Satinwood（サテンウッドの時代）』が含まれています。これらの本は、約1800年までのイングランド家具の歴史を包括的に検討しており、使用される用語は現在もさまざまな時代やスタイルを示す標準的な表現として定着しています。

しかし、彼の研究成果に対しては批判的な意見も存在します。特に、その歴史的な分析や議論の中身には異論が多いとされています。加えて、マッコイドはラルフ・エドワーズと共に、『The Dictionary of English Furniture（イングランド家具辞典）』（1924年 - 1927年）を編纂し、全2巻にわたるこの辞典も彼の重要な業績の一つです。

生涯と業績

マッコイドは、イラストレーターであり水彩画家であった父、トマス・ロバート・マッコイドのもとに生まれました。若い頃からイラストレーターや舞台美術家として活躍しましたが、1883年にはフィンセント・ファン・ゴッホから彼のイラストが絶賛され、その名声が広まりました。舞台美術の分野では、特にハーバート・ビアボーム・トリーに重用され、1906年に上演された『アントニーとクレオパトラ』や『ネロ』などの舞台美術を手がけました。

1899年に改装されたセント・ジェームズ劇場では、当時の有名な装飾業者であるムッシュ・モラン社によって、彼の設計した装飾が施されました。また、リーヴァーヒューム卿からの依頼で、レディ・リーヴァー美術館の「アダムの間」の装飾も手がけ、彼の技術と視覚的センスが高く評価されることとなります。

私生活

1891年にテレサ・I・デントと結婚し、ロンドンのベイズウォーターに住むようになったマッコイド夫妻は、海を見下ろすホーヴでの夏の休暇を楽しみました。彼の家には17世紀から18世紀のイングランド家具が多数置かれ、熱心に手入れされていました。マッコイドが収集した財産の大部分は、現在もイースト・サセックスのプレストン・マナーを飾るなど、彼の遺産として残されています。

特に妻のテレサは、ブライトン博物館の委員になるなど文化活動にも積極的に関わり、プレストン・マナーを大いに愛していたと伝えられています。

結論

パーシー・マッコイドの影響は多岐にわたるため、彼の業績は今なお美術や家具収集の分野において広く記憶されています。彼が切り開いた道は、以降の研究者や収集家にとって重要な指針となっています。

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