パーペチュアル・フレイム

パーペチュアル・フレイム

『パーペチュアル・フレイム』は、ネオクラシカル・メタルの旗手であるイングヴェイ・マルムスティーンによって、2008年に発表された16作目のスタジオ・アルバムです。本作は『イングヴェイ・マルムスティーンズ・ライジング・フォース』名義でリリースされました。

このアルバムの最も注目すべき点は、ボーカリストとしてティム "リッパー" オーウェンズが参加したことです。オーウェンズは、ヘヴィメタルの分野で著名な存在であり、かつてジューダス・プリーストやアイスド・アースといったバンドで活躍していました。彼のパワフルで表現力豊かなボーカルスタイルが、イングヴェイのギタープレイと融合し、新たなサウンドの方向性を切り開きました。

アルバムのサウンドは、イングヴェイの代名詞ともいえる圧倒的な速弾きフレーズや、クラシック音楽に影響を受けた流麗な旋律といった要素はそのままに、ティム・オーウェンズのボーカルワークによって、よりメロディアスでロック色の強いアプローチが加えられています。これは、前作『アンリーシュ・ザ・フューリー』から約3年を経てリリースされた新作として、多くのファンから期待を集めました。

日本盤の発売に関しては、当初の予定から度重なる変更がありました。当初は2008年9月24日の先行発売が予定されていましたが、一度10月15日に延期され、最終的には11月12日にリリースされました。また、収録曲に関しても、米盤やヨーロッパ盤に収録されていた「Four Horsemen (Of the Apocalypse)」を含む全12曲でのリリースが当初計画されていましたが、結果としてこの曲は収録されず、全11曲での発売となりました。

日本盤の初回生産限定盤としてリリースされたデラックス・エディションには、特典としてDVDが付属しました。このDVDには、イングヴェイ本人が自らアルバム収録曲について解説する映像が収められており、日本語字幕も付けられています。

収録曲のうち、「Damnation Game」、「Red Devil」、「Caprici Di Diablo」の3曲は、人気の音楽ゲームシリーズ「Rock Band」において、ダウンロード・コンテンツとして提供されています。これにより、ゲームプレイヤーはイングヴェイの楽曲を体験する機会を得ました。

本作の制作に携わった主なメンバーは以下の通りです。ギター、ベース、シタール、一部キーボード、そしてバック・ボーカルに加え、収録曲「#9」ではボーカルも担当しているイングヴェイ・マルムスティーン。メイン・ボーカルを務めたティム "リッパー" オーウェンズ。キーボードには、ドリーム・シアターなどでの活動でも知られるデレク・シェリニアン。そして、ドラムはパトリック・ヨハンソンが担当しています。また、アルバムのミキシングはロイ・Zが手掛けています。

『パーペチュアル・フレイム』は、イングヴェイ・マルムスティーンのキャリアにおいて、新たな才能との邂逅を通じて音楽的な進化を見せた重要な作品の一つと言えるでしょう。ティム・オーウェンズとの協力関係はこの後も続きました。

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